新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークル内の発言を検索する

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマドンさん

    2018/07/06 07:56:39

    icon

    「半分、青い」「半分、・・・」だな。期待している。

    NHK連続小説「半分、青い」が面白い。
    ずっと観ていなかった。
    決まった時刻にテレビに拘束されることが嫌だった。
    それでも、気になっていたので録画していた。
    腰が痛く、何もできなかったので、それではと続けて観た。
    「面白い」
    本当に、面白く、人生と言うものを深く描いたドラマだった。

    鈴愛ちゃんが、いい。
    大好きな律に何年振りかで駅で会った。
    律は、彼女のことを待っていてくれたのかもだ。
    「結婚しよう」と、言われた。
    しかし、「無理」と答えた。
    大切な律の夢の短冊が風で飛ばされた。

    あれだけ大好きだった漫画が書けなくなってしまった。
    ふと、迷ったら、次が出てこなかった。
    悩み、呻吟し、苦しんだが、次の話の展開を思いつかない。
    最後の漫画のつもりだった。
    これができなかったら、辞める覚悟もあった。
    しかし、自分ではきっと傑作を書けるという自負と期待も少しはあった。
    しかし、現実は厳しかった。

    いつの間にか29歳になっていた。
    先生に弟子入りしてから10年間がたった。
    しかし、自分には何もこれといって人に自慢できることはなかった。
    そんな時、律から結婚の報告の葉書が届いた。
    「嘘だろう」
    彼女はその葉書を片手に、ふらふらと大阪の律の新居を訪ねた。
    可愛い奥さんが、ベランダで洗濯物を干していた。
    「終わった」と、しばらく彼女は行方不明だった。

    信用金庫のお見合いの話もいつの間にか無くなっていた。
    最後の漫画は、とうとう締め切りの日に間に合わなかった。
    絶望だった。
    そしたら、先生が彼女の原案を基に、作品を書いてくれていた。
    これで、原稿の落ちは、何とか救われた。
    自分の名前と先生の名前とが連名で記されている。
    それだけで、何だかとても幸せな気持ちになれた。

    しかし、彼女は一つの決心をした。
    「漫画を描くことを辞める」だった。
    そのことを自分から言い出せなかったので、
    先生から言ってもらった。
    「漫画を描くことを辞めにしましよう」と。
    彼女の瞳から大粒の涙が流れ落ちた。
    次々と涙は溢れて止まらなかった。

    私は、この物語はサクセスストーリーだと考えていた。
    漫画家に憧れたピュアな乙女の幸せ物語。
    だから、観なかった。
    少しどこかでたかをくくっていたのかもしれなかった。

    鈴愛ちゃんは、きっと漫画家として大成し、律と結婚し、
    子どもに恵まれ、幸せな家庭を築くのだろうと、勝手に決めていたのだった。
    ところが、その全てをこの脚本家は裏切ってくれた。
    そう想っている私の想像を遙かに超えた、
    新たなる人生を、これから彼女に選ばせようとしているのだった。

    大きな壁の前で絶望して蹲り、動けなくなった彼女。
    愛する人との結婚や大好きな漫画家になるという夢をすっかりと失った彼女。
    では、逃げ場所はどこかにあるのか。
    お金は無い。仕事は無い。家庭も無い。夢も無い。やりたいことは分からない。
    本当にこの純粋で、真っ直ぐに生きて来た彼女から、
    この脚本家は全てを奪ってしまったのだった。

    まるで旧約聖書のヨブの試練だな。
    ベルギーの終了間近の1点だな。
    あっという間に、あらゆることが自分の手から離れてしまう。
    これでもか、これでもかと、まさかのことがその身に起きる。
    それがサッカーであり、それが人生だな。
    彼女のサクセスストーリーと単純に考えていた私も、
    この予想外の展開に驚き、狼狽え、彼女の涙と自分の涙が一緒になった。

    実は、続けてこのドラマを観ながら、
    毎回毎回涙をじんーんと流していた私だった。
    一日の始まりに、いつもいつも涙目だったら大変だったなと、
    録画でよかったと変に納得、安心だった。

    さてさて、そうは言いながらも、心配なことは、
    これから、いったいどうやって鈴愛ちゃんは、生きて行くのか・・・だな。
    この脚本家の予想された展開への裏切りが、
    全く新たなシチュエーションを生み、
    その場に彼女を独りで立たせることとなる。
    ドラマとは、そこで起きるリアルな心の葛藤なんだな。

    ここまでのプロセスで、私は彼女を心から愛し、味方になった。
    本当に彼女には幸せになってもらいたいと親のように願ってもいる。
    ここので私は深い共感と同情の最中に立たせられた。
    何とかしてやりたくとも、彼女はテレビの中の人。
    私は、どうなることかとはらはら、どきどきとただ新潟から見守るだけだ。
    そして、これからもきっと彼女の出会う人や出来事に一喜一憂することだろう。
    不思議なことだが、優れたドラマは、観ている私に同じ人生を歩ませる。
    というか、その場の友達・家族・親戚・ご近所の人と成してしまう。
    だから、こうしていても、心配で、心配でだ。

    Sさんと、話した。
    「まさに、これって、人生ですよね」だ。
    そして、「みんな、ここから、本当の生き方が始まりましたね」だった。
    つまり、「私はできる」「私なら何とかなる」「私はすごいんだ」から突っ走る。
    でも、現実はその想像の私を遙かに凌駕する厳しく酷い壁が現実の世界である。
    ある時期勢いでやりぬけても、いつかその種は尽きるものだ。
    そこには、「できない」「やれない」「何も無い」「無力」で「駄目」な自分だけ。
    そんな裸で愚かな自分自身と、人は必ず向き合う日が来る。

    試練とは、そのために、それぞれの人の人生において、
    ちゃんと神様は用意している。
    本当にその人の時期を観て、えい、やぁーと、「まさか」がやって来る。
    じたばたとするが、到底敵わないものと自らの無力を悟る。
    どん底とは、その時の心の状態。
    人は、どん底に堕ちない限り、本物の人にはなれない。
    私は、そう信じている。
    本当にどん底を感じ、知って、味わって、それでも今、ここを生きている人は、
    しんなら強く、逞しいものだ。

    深い人とは、そのどん底から立ち上がり、泳ぎ切り、水面に出た人のことだった。
    その水深を死にもの狂いで泳ぎ切り、水面ではーっと息をしたことのある人は、
    深さを知る人であり、その深い深い絶望と言うどん底から生き直した人だった。
    だから、その人は、その経験を通して、やっと本物の人となれる。
    しかし、神様は、その試練に耐えられない人に、そんな厳しい試練を与えられない。
    そして、その試練を乗り越える道もちゃんと用意している。
    ただし、その道を発見し、その道を歩き続け、
    例え、途上でもその目的地に向けての旅をその人が諦めなかったらだ。

    鈴愛ちゃは、その道をまだ歩き出してはいなかった。

    じたばたしない。
    全部を捨てる。
    諦める。
    そして、それでもやっぱり生かされている自分自身を信ずる。
    自力ではなく、他力に生きる。
    自分のためでなく、人のために生きる。
    そこにだけ、活路は存在する。

    私には、そのことを伝えたい友が居る。
    しかし、彼は鈴愛ちゃんと同じどん底に堕ちながらも、
    まだまだじたばたしている。
    昔の自分にしがみついてる。
    こんな自分ではない。これは何かの間違いだと言い聞かせている。
    たから、先には進めない。
    まだまだ深くに落ちて行く。
    反転して、水面を目指すためには、本当のどん底に着かねばならない。

    「落ち着く」とは、そのことなのだから。
    落ち着けば、蹴るための底がある。
    底に足を着いたら、力一杯その地面を蹴ればいい。
    すると、身体は遙か彼方の水面を目指して浮き始める。

    ドラマ「半分、青い」は、これからが、残りの「半分、」を語ってくれるはずだ。
    それでは、後半は「半分、〇〇」となるのだろうか。
    ここには一体何色が入るだろうか。
    半分でどん底に到った。
    では、半分で・・・・。それが、これからの楽しみだ。

    • サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件