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from: クマドンさん
2018/08/10 06:59:33
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まさか、この痛みは・・・あれ?
昨日のことだった。
シネウインドで映画を観た。
「それから」という韓国映画だ。
映画が始まってから20分位たったかな。
じわじわと胃が締め付けられてきた。
万代カレーをルー一杯食べたせいなのか、
わけが分からないまま映画を観ていた。
静かな会話だけの恋愛映画だ。
館内はシーンと鎮まり、スクリーンに魅入っていた。
私の胃の痛みは、じょじょに強くなって行った。
みぞおちの辺りを締め付けられ、
ぎゅっと絞られるあの痛みの感覚に覚えがあった。
「胆石の痛みだ」
まさか、ここで、この場所で・・・・。
痛みは徐々に内から込み上げ、強くなる。
いっこうに弱くなるどころか、
それは、あの胆石の激痛の予兆でしかすぎなかった。
「来るぞ、来るぞ・・・・」
脂汗がじっとりとTシャツと額を濡らした。
この脂汗も、胆石の一つの症状だった。
15分位、私は、歯を食いしばって我慢した。
しかし、限界はもうすぐそこだと観念して、
静かに、荷物を自席に置いて、後ろの扉から館外へ出た。
そして、係の女性にSOSを出して、
「これ、胆石の発作かもしれません・・・」と、告げた。
「どこか、横になれる場所はありませんか・・・」
しかし、映画館の中には、横になる場所は無い。
「ここで、横になってください」と、椅子を4却並べてくれた。
私は、痛みを堪え、身体をくの字に曲げたまま、
あのウインドから丸見えの場所に横になった。
ちょうど一年前だろうか。
飲んだ後、大山台で発作を起こし、四転八倒の苦しみだった。
あの込み上げて、締め付ける、激烈な痛みは、
なった者だけしか理解できない究極の痛みだった。
その痛みで、気が遠くなることもあった。
しかし、何ともできない。
耐えるだけ。
その痛みがいつか自然に緩くなり、収まるのを待つだけだった。
その瞬間だった。
「ああ、俺には、誰も、助けに来てくれる人はいないんだなぁ」と、気付いた。
こんな緊急事態で、このまま痛みが激しくなったら、
やっぱり迷惑をかけられないから、救急車を呼んでもらうしかない。
しかし、病院に運び込まれたとしても、
私には、その病院に駆けつけてくれる人が居ないのだ。
妻は、新発田病院に入院中。
長男は、仕事中。
次男は、東京で営業中。
友達は・・・・。ああ、独りも居ないなぁ。だった。
親戚の叔父さん、叔母さんは、90歳と80歳だ。
どちらが先に倒れるか分からない瀕死の状況だ。
頼ることは、全く無理、無理。
ということは、私は、独りぼっちなんだなぁと、
突然のようにして、我が身の立ち位置が明確に分かった気がした。
友達が・・・居ない。
これも自業自得と諦めているが、本当に独りで何とかせねば・・・なんだな。
つまり、こんな時に、独り暮らしのお年寄りたちも、
きっと同じことを想い、躊躇し、迷い、おろおろと弱って行くのだと実感だった。
まず、身内は無理で、難しかった。
同居しているのなら分かるが、遠方に住む家族は頼りにはならないだろう。
それでは、近くに住む親戚や隣人はどうか・・・。
これもやっぱり、当てにはならない。迷惑・面倒をかけたくない。
それでは、友達は・・・。
そうした自由人で車のある友達が居ればいいが、
そんなことで久しく会ってもいない友達には連絡することはできないと思う。
だから、独りなんだ。
独りを当たり前として、人には頼らず、独りで何とかしなければだ。
しかし、本当にたった独りでの暮らしだったらどうだろうか。
私は、ここで、「救急車」をお願いしたら、
きっと係の人が手配してくれ、言葉をかけ、看護してもらえるだろう。
では、これと同じ状況が、独り暮らして突然に起こったらどうすればいいのだ。
まず、身動きができない。
声を出せない。携帯電話が傍に置いていない。痛みがどんどん激しくなる。
やっぱり、その時こそ、その人にこそ、地域社会の支援・援助なんだと、
こんな椅子の上に横になり、唸りながら、その必要性を痛く感じた。
「なんとかせねば」だったな。
もう一本観ようと払ったお金800円は返してもらった。
自転車で来たので、あの自転車は置いていくしかないな。
荷物はまだ席にあるので、彼女に持って来てもらえればいい。
保険証はいつも身に着けているから大丈夫。
お金が・・・・。まぁ、カートで何とかなるだろう。
そんなことを考えていたら、
「あれっ、痛みが、薄れてきたぞ・・・」だった。
ここから始まる胆石の激烈な痛みが、
そうならない回復の方向に身体が向かった。
「あれっ、大丈夫かもしれない・・・」
私は、立ち上がり、お腹を摩り、痛みを調べた。
無くなっていた。消えていた。どうしたんだろうか・・・・。
私は、また、館内に入った。
入り口のすぐ傍の席に座った。
20分間位の中断だったが、物語の続きを観た。
彼女が、社長の受賞のお祝いに訪ねて来たシーンだった。
私は、二人の会話に魅入ってしまった。
そして、また、前の席に移動して、この映画を最後まで観ていた。
館内が明るくなった。
係の彼女が入って来て、私を見て驚いた。
「映画、観たんですね・・・」絶句。
よくよく帰りの自転車で考えた。
そしたら、ああー、あれが原因かと思い当たることがあった。
ショートパンツがゆるゆるなので、
きつくベルトを締めたこと。
そして、カレールーを持ってきたご飯と一緒に丼一杯食べたこと。
映画を観ながら、ベルトを緩めなかったこと。
まぁ、これが胆石もどきの痛みの原因であったと悟った。悟った。
しかし、実地でのよい学習ができたと、何だか腑に落ちている私だった。-
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