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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2018/08/29 09:17:42

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    ぼーっとした時間を味わう

    昨日、午後からダイニングの床のワックスがけをした。
    母がまだこの世に居た頃は、
    毎年、盆と年末にワックスをかけた。
    ピカピカになった床をいつもいつも喜んでくれた母だった。
    今は、床を美しくしても、褒めてくれる人がいない。
    だからかな。
    ここ数年、私はこの仕事をやっていなかった。

    それから、ずっとずっとぼーっとして庭を観ていた。
    雨がしとしと時折降った。
    その雨に濡れてしっとりとしている野菜や花をぼーっと観ていた。
    こんな時間の使い方ができるようになったことは、嬉しい発見だった。

    それまでは、何だか何もしないということに、焦りがあった。
    ぼーっとしている時間があったら、何かをしよう。
    空いている時間があったら、何か予定を入れよう。
    家でじっとしていることはもったいないから、
    外に出て、何かをしよう。遊びに行こう。自転車に乗ろう。映画に行こう。
    でも、こうして4月から、無職無収の生活を始めてから早5カ月がたった。
    すると、こうしてぼーっとしている時間が増えた、楽しめた。

    朝食は味噌汁づくりから始める。
    それから、キャベツ・レタス・トマトでサラダを作る。
    同時に魚を焼いて、大根をおろしたりもする。
    ご飯は前夜にタイマーでセットしておく。
    そして、ゴミ捨てに行き、庭の野菜や花たちに水をやる。
    それから、シャワーを浴びて、髭を剃り、整髪する。
    そして、朝食をクラシックを聴きながら食べる。
    それも、ゆっくりと時間をかけて、味わって食べる。

    それが終わると、食器を洗う。
    そして、台拭きでテーブルを拭き、箒で床を掃く。
    それからコーヒーを淹れる。新聞を開く、丹念に記事を読む。
    そうするとあっという間に8時を過ぎる。
    それから、こうして自室に戻り、パソコンに向かう。
    これが終わったら、ヨガを1時間。

    みんなゆったりとした時間の流れの中でのことだった。
    急がないといいことがある。
    それは、その時々をしっかりと味わうことが出来るからだ。
    仕事をしていた頃はどうだったか。
    次の約束、出かける時刻、遅れてはならない仕事、仕事。
    ここに私が記したルーテーンは、
    ただすーっと通り過ぎるだけの出来事にしか過ぎなかった。

    今朝、またアゲハの幼虫を3匹発見した。
    葉っぱをむしゃむしゃと食べ、ぼりぼりに葉っぱは減って行った。
    またこのままにしておくと、鳥に食べられるので、
    私は、今、タッパの中に避難させている。
    そんなことも、この朝の時間でできるようになった。

    本当に特記事項の無い、平平凡凡たる日々でしか過ぎなかった。
    今日も、予定を創らなかったら、何も無い一日になる。
    午後から公民館でヨガの教室。
    それを一つやったら、それで終わり。
    時間があったら映画にも行きたいが、
    それは、身体との相談だった。

    確かに、お金は無くなっている。
    一万円をATMでおろしては、千円札に換金して封筒に入れる。
    それを、一枚一枚使う生活。
    二千円以上は、飲み食いには使わない。
    本当に慎ましく生きている。
    しかし、それがそれでまた楽しいんだな。

    この自由で何も無い、のんべんだらりとした生活を味わう。
    この何も起こらない、何もやらない、そんな日々を楽しむ。
    ぼーっとしている。時には、昼寝をする。
    疲れていたら、布団の中でごろんとなって本を読む。
    ただ、それだけ。
    昼になると、自分のことは自分でちゃっちゃっとやってしまう。
    昨日のランチは中華丼をチーンして食べた。
    それでいい。それがいい。

    何だかね。
    この当たり前の平凡な生活をのんべんだらりと過ごす内に、
    私は、時間を味わうことを習ったような気がする。
    あの超多忙なあくせくあくせくの日々では、
    この味わうと言うことは無理難題だったろう。
    みんな通過した。それも、あっという間に、目にもとまらぬ速さで。
    味わうなんて、そんな余裕はどこにもなかった。
    だから、朝食は、ただ食べるだけ。

    私は、この生活をして善かったことばかりだった。
    確かに、経済的には苦しくもある。
    しかし、僅かなお金のために、このぼーっとする時間を売ることは、
    何だか限られた時間の人生の中では、
    もったいないなぁと、気がする。

    せっかく味わい深い時間を過ごせるのに、
    再任用の皆様は、今日も明日もせっせと超多忙な激務の中を生きている。
    リタイアとは、降りることだ。
    まず、一度、降りてみる。
    そして、少し腰を落ち着け、のんべんだらりと生きてみる。
    そして、それまでの自分の人生を振り返る。
    それから、野菜を育てる。花を植える。
    あるがままの自然と向き合う。それを味わう。

    私は、この庭を観ながら、こうした庭を確保してくれた父と母に、
    何だかいつも感謝している。

    9月12日から、実はまた私は職場復帰することになっている。
    望んでいるわけではないが、やむにやまれぬ事情があったので受けただけ。
    そうすると、このゆったりとした時間を味わうことが、
    また当分できなくなってしまう。
    そのことを想うと、何だか寂しくなってしまう私だった。

    今日から、61歳のクマさんである。

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