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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2019/04/10 05:24:50

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    今日一日の私の仕事とは

    身体が、疲れている。
    というか、どうも衰えていると言った方がよいのかもしれない。
    はっきりしない。
    ぱっとしない。
    いつも何だか違和感を感じている。
    これって、春のせいなんだろうか・・・・。
    連休の来ることばかりを心から願っている。

    昨日、施設に入っている叔母を訪ねた。
    生きている内だと、毎週火曜日には訪問することにした。
    スーツでネクタイ姿の私は、
    その食堂では異彩を放ち、全くのアウェー状況だった。

    枯れている人たち。
    人は、みんなこうして最期を待つ人たちとなる。
    叔母は車椅子に座ったまま、黙ってうつむいていた。
    食事は5時半からだ。
    また、テーブルの上には、お茶の入ったストロー付きのコップだけ。

    「叔母ちゃん、来たよ」と、声をかける。
    それでも、暫くはじっとうつむいたまま、何も反応はなかった。
    トントンと、肩に触れた。
    すると、顔を私の方に向けた。それでも、私が誰だとは気付かない。
    目は、涙のせいか、病気なのか、目やにでいっぱいだった。
    施設の若い職員の人たちは、よくしてくれている。
    しかし、30名以上のこの人たちを、
    一人ひとり車椅子に乗せてこの食堂に連れて来るだけでも重労働だった。

    誰も喋らない。
    みんな怒ったような顔で押し黙っている。
    笑顔がなかった。
    ぼーっとただ一点だけを見つめて動かないお婆ちゃんもいた。
    一体、何を考えているというのだろうか。
    希望や喜びを、ここに来ると感じられない。
    みんなある意味では、諦念だ。

    厳しい人生を生き抜き、多くの試練に耐えながら、ここまで生きた人たちだ。
    私は、老いると言うことは、尊厳を生きるということではないかと思っている。
    生きて来たあれこれを振り返りつつ、
    その自分自身に与えられた人生に深い意味を感じ、
    満足することが、老いの幸せなのではないかということだ。

    そこには、後悔があってはならない。
    やり直したいと言う願望も必要はなかった。
    「これで、いい」。
    そう強く言い切れる。絶対の肯定感だ。
    だから、人とは、最期になって、そう肯いて、死を迎えるために、
    日々を、是好日と生きていこうと思って、生きているのではないだろうかだ。

    人には善くしてやろう。
    私は、少しでも善く生きよう。
    自由であろう。誇りをもって生きよう。
    誰かの役に立とう。
    誰かの為に、尽くして行こう。

    この食堂に集っている、黙ったままのお婆ちゃんたちは、
    きっとそうやって生きて来た人たちではないかと、私は思っている。

    それは、中には意地悪な人も、我儘な人も、自分勝手な人もいるだろう。
    でも、今は、その時の訪れを待つ人たちだ。
    みんな何を考えているのか、
    その独り独りの物語を聴きたいものだと、時々、思う。
    私の使命とは、その物語を書き記すことではないかと、
    歳をとって想えるようになったからだ。

    私もいずれあそこに座る。
    一日、何もすることがなく、ずっと天井を見つめたまま、ベッドで横になる。
    そんな日には、私は、一体、何を考え、何を想っているだろうか。
    しかし、考えられる。想われる。ということは、大事なことだと、
    あの人たちを見ているとそう想う。

    人は、これからどうなるのかは、誰にも全く分からない。
    今日すら、ちゃんと家に帰れるのかも分からない現実だ。
    だから、想おう。

    今日だけでも、
    「人には善くしてやろう。」
    「私は、少しでも善く生きよう。」
    「自由であろう。」
    「誰かの役に立とう。」
    「誰かの為に、尽くして行こう」と。

    いつか必ず老いが来る。
    でも、今日はまだできることがあるではないか。
    ただ、それをやろう。
    そう自分自身は、私に云ってくれるから、私はそう生きるつもりだ。
    それが、きっと今日一日の私の仕事なのだから。

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