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from: クマドンさん
2019/06/14 05:34:25
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死者の思い為しを生きる
昨日は、全身が疲れの海にどっぷりと沈んでいた。
分かっているが、疲れた時は、酒を飲みたいものだ。
休酒第一日目をキャンセルにした。
シンさんのお店に行った。
Uさんが、カウンターに居た。
彼は、私の中学校と高校の後輩であることを知った。
実に、実に、愉快な男で、
その人生そのものが物語に充ちた人だった。
その物語を聴きながら、不思議と映画となっていく。
脚本を書きたい。
そんな想いがふつふつと湧いて来る。
しかし、これはプライバシーだから、ここにも書けない。
人は、やっぱり自分だけの物語を生かされている人なんだとつくづく感じた。
昨日は、東区ボーイズの合唱だった。
平均年齢68歳だろうか。
80代のNさんも元気にテノールで歌っている。
人生の大先輩たち。
その姿を観るだけで、その人たちのそれまでの生き方が感じられる。
人の姿や、立ち居振る舞い、その言葉は、
全く正直にその人そのものを顕す。
その人とは、今、ここで、その人になったのではなく、
長い長い年月の苦節によって、
その人となったその人だ。
ある意味、その人は、ハイデガーの「時熟」の人なんだな。
善き実となって、ここに生かされている人たちは、
何だかとても優しく、温かい人たちだった。
歳をとるということは、人が本来の人になるということだ。
もし、歳をとって頑固で、意固地で、人の悪口しか言わず、自分勝手で、
我がままで、自分だけ良ければよくて、けちで、根性が悪くて・・・。
だったとしたら、一体その人は、70年間・80年間何を学んで来たと言うのか。
その生き方は、その人の顔やその人の言葉そのものだ。
やっぱり人からは、「優しい人」「頼れる人」「温かい人」と感じられたい。
そのためには、人は、そうした人生を歩かねばならない。
「死者の思い為しを生者は生きている。生きるとはそういう物語」だと、
池田晶子さんが教えてくれた。
歳をとって、本当に最近になって、この意味が分かって来た。
もし、私が死者になり、我が子を見守っているとしたら、
私の願いはただ一つ。
「善き人になってください」それだと思う。
人は、そうした死者からの呼びかけ、語りかけを魂で感じている。
または、死者である先人が遺してくれた言葉によって、
人は、「問い」を与えられ、その「問い」の答えを求めながら、
日々を生きているのではないだろうか。
ただ「善き人」であればいい。
その人は、「善き魂」の人でもあった。
ソクラテスが言っている。
「生きるとは、魂のお世話をすることだ」と。
その通りだなぁと、今は、言える。
70年間の生き方そのもの。
魂の育て方そのものが、その人なんだ。
独り独り物語が違うのは、物語の背景が違うからだ。
その千差万別、全く違う舞台で物語を生きながら、
「善く生きた」人たちが気付いたことは、
きっと同じではないかと、私は想う。
その「同じ」「一つ」を、「生きなさい」と、
死者となった、母は、私に語っている。
また、池田晶子さんの「言葉」を味わう度に、
その生き方が、私の身体となり、魂の糧となる。
「言葉」を食べて、文字通りの「成長」を感ずる。
この目には見えないけれど、絶対に「在る」ことを信ずることだ。
そうして生きて来た人たちの瞳は違う。
その姿は尊い。
私はそうした大人の人たちを知っている。
合唱団の人たちは、正にそうした大人たちだ。
だから、私も、そう生きたい。
私の死者からの思い為しの物語を、この生涯賭けて全うしたい。
孔子の「論語」に出会った。
「子曰く 学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずゆ。
朋有り、遠方より来たる、また楽しからずや。
人知らずしてうらみず、また君子ならずや。」
これは、孔子が生きた物語。
私も、かく生きたいものだ。-
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