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from: クマドンさん
2020/02/14 05:18:14
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中村 哲さんという生き方
中村 哲さんのインタビューを観た。
今から20年前のインタビューだ。
その時、すでにアフガニスタンに渡ってから19年間も経ていた。
何とすごいひとなのかと、改めて感じた。
国境の無い医師団の医師としての赴任だった。
そこには、貧しく飢餓に悩む何百万人の人が居た。
ソ連の侵攻により国を追われた難民も居る。
その難民たちには国際的な保護がある。
しかし、国内に留まった難民には、その支援の手が届かなかった。
ある年、酷い干ばつだった。
食べ物が何も無い。
このままでは、明日を待たずに何十万人が餓死をする。
そんな極限状況の中に立たされた。
とりあえず生きてくれ。
病は生き残ったその時に治そう。
彼は、NGO「ペシャールの会」に所属し、日本から援助物資を求めた。
そして、届いた小麦をトラックで、山々の小さな村に届けて回った。
また、集落の井戸が枯れる。
その時、資材と技術を求めて、その枯れた井戸に再び水を湧かす。
また、へき地に置かれている村々の病人の為に、
幾つも小さな診療所を設置して、現地のスタッフを養成した。
彼がそこを訪れるのは、ロバに乗って、何日もかかる。
けれど、薬も無く病を患い、老いを迎え、苦しい生活の中で、
ずっとずっと彼の訪れを待ち望んでいる村人たちが居る。
だから、彼は、行く。
内戦は日々のことだ。
だから、兵士たちもそこに生き、機関銃を肩にかけている。
人を殺した人たちもいる。
その人たちは、理由はどうあろうと、
良心の呵責に耐え続けているとのことだった。
人の考え方や感じ方は、それぞれ違うものだ。
しかし、深く深くで、人間的に共通する心がある。
その心に語りかければ、分かってもらえる。
お互いを理解できる。
時には、何でこんなに自分勝手で我儘な人たちのために、
私は、何かを犠牲にして生きているのか、分からなくなることもある。
しかし、その深い心は、どんな国の人々も共通の人間らしさだ。
そこに語り掛ける。
その心の存在を信ずる。
そんな思いで、ここまでやって来れたような気がする。
その葛藤があるから、
中村さんは、アフガニスタンで自分がやってきたことを誇らない。自慢しない。
人として当然のこととして受け止める。
目の前で何十万の人たちがひと晩で餓死する現実。
母は子に覆いかぶさり死んでいた。
その姿を目の当たりにして、言葉を失った。
中村さんは、人間の不条理で悲惨な現実を見過ごさなかった人だった。
そのことを、普通の人としての医師である彼がやった。
そして、このインタビューから19年後に、
彼の乗る車がテロリストたちに襲撃され、
銃撃により、その生を終えた。
こうしてアフガニスタンの国内の難民の為に生涯をかけた人が居た。
「私は、クリスチャンなんです」と、ほんの一言だった。
私は、その言葉に、救われた。
クリスチャンを生きるとは、きっとこういう生き方なんだと、考えた。
しかし、私も難民を救うために外国に行くと言うわけではない。
私財を全て投げでして、援助を行うわけでもない。
ただ、隣人に心の難民がいるとしたら、
その人の友となりたい。
それならば、私にも可能であるかもしれないということだ。
中村さんとは、こういう人だったのか。
人は、小さな巨人だ。
生き方によっては、普通の人も、偉大になれる。
しかし、その本人は、その偉大さを知らない、何も意識していない。
中村さんの生き方が、私の生き方のモデルになった。
ご冥福を心から祈ります。アーメン。-
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