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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2020/07/18 11:35:10

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    古墳群を守った人たちがいた

    今、ヨガのレッスンから戻って来た。
    行ける日には、土曜日の9時からのレッスンに参加する。
    やっぱり、朝のヨガは気持ちがいいなぁ。
    こうやって、ヨガをやるようになってから2年間たった。
    午前中に時間があるので、毎日トレーニングをしている。
    そのおかげで体幹が鍛えられ、筋肉もしまってきたような気がする。
    体重は、まだまだMaxなので、これを何とかと思っているが、
    ゆっくりと時間をかけて、身体の変化を楽しんでいる。

    今朝のラジオを聴いて驚いた。
    あの奈良県の世界遺産に認定された古墳群であるが、
    戦後、破壊される危機にみまわれていたそうである。
    昭和20年~30年代の宅地造成の時、
    私有地であった古墳は、業者に売り払われ、
    土は他の造成地に運び出され、
    平らにされたその土地を宅地で売り出そうとしていたそうだ。

    大塚山古墳は、貴重な武器や鎧や馬具等が出土したが、
    その後、工事によって、満足な発掘もままならない内に、
    宅地に替えられてしなったということだった。
    イタスケ古墳も同じ運命を辿ろうとしていたところを、
    有志達が集まり、「守る会」を発足させて、
    10円カンパを行い、政府や地方自治体に働きかけ、運動を起こし、
    やっと史跡として決定されたそうたである。
    それが、昭和30年の9月だった。

    つまり、高度経済成長で、都市部の人口が増えたために、
    野山は削られ、森は伐採され、どんどん宅地にされて行った。
    あの「人生フルーツ」の修二さんたちが、
    集団住宅であるアパートをどんどん造設していたった陰に、
    こうした貴重な文化遺産である古墳すらも潰されていたそうだった。

    しかし、そうやって宮内庁によって守られるのは、
    天皇の墓である。陵墓だけであった。
    つまり、小さな名も無い豪族たちの墓は、
    宮内庁の保護する対象とはならず、
    開発の名の下に、破壊され続けたというのだった。

    そのイタスケ古墳は、堺市の考古学好きの歯医者さんが中心になり、
    業者による開発から手を引かせ、
    その古墳の土を運ぶために造られた橋を撤去させたそうだった。
    それから65年間。今も、記念としてその橋の桁は一部残されているという。

    この世界遺産に認定されたこの奈良県の古墳群は、
    実は、こうして守ろうと立ち上がった有志たちがいなかったら、
    その土を使って宅地が造られ、見るも無残な姿に変わったということだった。

    その彼が言っていたことは、
    「日本の行政は、縦社会で、横の連携が全くとれない組織だ」ということだった。
    宮内庁・文化庁・地方自治体は、各自独立しての機能のため、
    一致協力してこの古墳群を守ろうと言う動きにはならないのだそうだ。

    それから、ただ古墳がここにあるというだけでなく、
    「もっと遊歩道を造ったり、情報を発信したりして、
    愛される古墳群としたい」とのことだった。
    今は、陵墓と言うこともあり、一切の立ち入りが禁止されている状態だった。

    2019年に世界遺産に認定されたことで、
    世界中から多くの人たちに見学に来てもらいたいが、
    そうした情報発信や観光資源としての機能を果たすには、
    まだまだ努力が求められると、話していた。

    自分は87歳の高齢なので、
    この古墳群の未来については、後継者に託したとの夢ももっていた。

    守ってくれた人たちがいたから、
    あの貴重な古墳たちは、今、ここに遺されている。
    そして、その価値を分からず、
    現実の経済生活を優先するために、
    民間の業者たちに払い下げられた古墳は、
    その土を使って、宅地造成されて、消える運命でもあったそうだ。

    もし、この歯科医の人が居なかったら。
    そして、地方大学の考古学専門の教授たちが協力してくれなかった。
    それから、子どもの頃から古墳と共に生きて来た市民たちがいなかったら、
    この古墳群は、消えてしまっていたという事実だった。

    「ほっておいたら、荒れてしまう。」

    私は、どんな自然環境もそうではないかと思っている。
    古墳は、貴重な文化遺産だと「意味」を理解している人たちによって守られた。
    経済優先の価値観の前には、ただの土の山でしかないこの古墳だ。
    しかし、そこに「意味」を感じられる人たちにとっては、
    それは、まさに後世に残すべき貴重な文化遺産だった。
    こうやって考えたら、
    私たちはどれだけ経済の名の下に、
    そうた大切な文化や自然遺産を、
    どれだけ失ってきたことか計り知れないことだと思う。

    だから、「守るためのはたらきかけ」が求められるのだと思っている。
    そのために、彼等は、古墳に対する「興味・関心」を市民にもってもらおうと、
    広報活動を行い、市民レベルでの保護活動の協力を得て来た。
    また、行政に対しては、その「意味」と「価値」とを問いかけ、
    「守るために連携して協力すべきだ」と声を挙げて来た。

    つまり、この古墳群は、在るのではなく、
    守られて来たから、今も、ここに存在していると言うことだった。
    そして、その結果が、世界遺産の認定となったのだった。

    守る会での運動を始めてから65年間がたっていた。
    「あっという間でした」と、87歳の彼は笑っていた。
    私は、彼のその働きや想いが、とてもとても尊いものに感じられた。
    「人ができることとは、環境を機会することではなく、
    この自然環境や文化遺産を、守り続け、後世に伝えることではないだろうか」
    「そのために、どんな働き、運動をしたらよいのか」
    実は、この話を、N中の森の話と私は、リンクして考えていた。

    「自然の生態系の森」だと言う。
    だから、「人の手を入れてはいけない」と、学者たちが言う。
    それは、そうした考え方からは「もっとも」なことだ。
    しかし、この自然環境を守って行くためには、
    その森を守ろうとする人たちの集まり・会が必要だった。
    「何もしない」「ほったらかしにする」「藪山でいい」という発想もある。
    しかし、荒れて行く森に人は、集まって来るのだろうか。
    鬱蒼としたその森に、気持ちよい風が吹く日が来るのだろうか。

    この古墳群のように、持続可能な遺産とするためには、
    「新しい発想」によって、その場所に「意味」と「価値」とを見出し、
    それを、共有し、共通理念とする人たちの集まりが必要だと言うことだ。
    そして、そうした「普請」のようにみんなで汗を流しながら、
    より気持ちよい森にするために共に力を合わせて働くことで、
    この森を守るための、持続可能な「会」が生まれ、
    その「会」の活動を通して、
    「後人」つまり、受け継ぐ人たちが育つのでないだろうか。

    この87歳の歯科医さんたちがやったような働きができるのは、
    その荒れた環境と出会った、失われつつある自然と出会った、
    人たちなんだと言うことだ。

    人の役割とは、環境を破壊することではけっしてない。
    人の役割とは、環境を守り、持続可能とすることではないかと、私は考える。
    そのための「知恵」であり、「経験」なのではないだろうか。

    失われるもの、荒れ果てようとするもの、
    それを「見過ごさず」「何とかしよう」と努力できるのは、
    この地球における人間の果たすべき責務であり、役割ではないだろうか。

    私が、ヨガを続けるのは、
    この生命体としての身体の自然なる環境を守り、
    少しでも健康な状態を維持し、保持しようとしているからである。
    「守る」働きがなかったら、
    その環境とは「荒れる」「壊れる」「消える」「衰える」だけである。

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