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from: クマドンさん
2021/01/16 07:23:09
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独りを癒す
昨日は、あの大雪後の久々の晴天だった。
歩かない理由はないと思い、バスに乗って本町に向かった。
バスの中でスマホを忘れて来たことに気付いた。
まさか、これが悪夢の始まりとなろうとは、予想だにできなかった。
幸い、市役所行きのバスに乗れた。
本町で降りて、小千谷蕎麦「あき乃」に向かった。
「ない。暖簾がない」と、遠くから暖簾が確認できなかったことの驚きだ。
店の前には張り紙がある。
「15.16日は、臨時休業します」と。
いつもならば電話で確認してからバスに乗った。
しかし、今回は、スマホなしだった。
確認のしようがなかった。仕方ない。仕方ない。
私は、次に、カミフルのTETTOに向かった。
ここでいつもならランチの予約を電話でする。
それは、ランチが満席で席をとれないことがあるからだ。
ここで、スマホの在り難さを再発見させられた。
電話は、出来ない。まぁ、満員でも、待っていたらいい。
私は、カミフルに向かった。
しかし、お店はとてもとても暗かった。
closeと看板に書いてあった。
「あれっ、金曜日なのにどうして・・・・」と、暫くは気付かなかった。
そしても気付いた。「第3金曜日なんだ」と。
mikiさんから、よくよく言われていた。
「第3金曜日は、定休日ですからね」と。
これで、2度目の失敗だった。
それではと、素面で腹を空かせたまま、また本町に戻った。
今度は、J&Yで、絶品のチーズパスタとワインにしようと。
しかし、お店の前に行き、入口から入ろうとしたら、
何と4つのカウンターの席の3つに、若者の酔っぱらいたちだった。
さすがに、煩いこの隣で食べる気は起きなかった。
tutyiに「ごめん、また来るは」と言って、店を出た。
冬になってマスクをしていねと、眼鏡が途端に曇ってしまう。
「ここは、温泉か」だった。
本当に真っ白になり、歩く人も車も見えない。
危険極まりの無い状況になるので、眼鏡をはずして手に持って歩く。
外なら、マスクを外して飄々と歩く。
そんイライラも募っていた。
スマホさえあれば、事前に回避できたストレスだった。
しかし、歳をとるとはいいことで、
「仕方ないよ」と、予想外にも冷静でいられた。
「今回の目的は、カミフルから歩いて自宅へ帰ること」
まぁ、いいかと、Y家に入った。
実は、この店はコンサートやライブに行く前に、チャージするお店でもあった。
カウンターがいっぱいだった。
私は、テーブル席を贅沢に使った。
そして、生ビールとトン汁と鮭を頼んだ。
それを飲みながら、お客さんたちの観察をする。老子を読む。
メモ帳に日記を書く。
その内に、冷酒を頼み、ショウガを撮みに、ゆっくりと酒を飲む。
すると発見したことがある。
ここに来るお客さんは、独りだと言うことだ。
時には、叔母さん同士、家族連れ、カップル、友達数人はある。
しかし、昨日の午後2時近くは、お独り様ばかりだった気がする。
このお店では、そのことがごくごく当たり前で、落ち着く感じだった。
サラリーマン・学生・買い物に来た主婦・お年寄り。
何だか自分の好きな物を注文して、独りで食事をしているのだった。
独りが落ち着く店とは、私のような人にとっては在り難いお店であった。
それぞれが、それぞれの仕事を持ち、それぞれの人生の事情がある。
70代の女性は、清楚な身なりで、テーブルの横に杖を立てている。
買い物に来たのだろうか。近くに住んでいるのだろうか。
でも、きっと独り暮らしのような雰囲気だった。
私の隣で牛丼を食べている女性もそうだ。
80歳近くだろうか、背中を丸くして、小さくなって食べている。
今日は、朝から、誰かと話をしたのだろうか。
衝立の隣の男性は、70歳後期かな。髭を蓄え、大学の教授のような男性だ。
やっぱり、簡単なつまみを頼み、冷酒をちびちびりと呑んでいた。
彼には、家族は居るのだろうか。
何だかとても頑固そうで、人を睨んでいるような眼差しだ。
話しかけるのもはばかられる人を寄せ付けない怖さを感ずる。
次に登場したのは、トレーニングジャンパーとズボン。
リックを担いだ60代後半の痩せた男性だ。
彼のいつもの席がかの女性が座っていたので、他の席に座ったが、
その女性が席を立つと、さっと湯呑茶碗をもってその席に移動した。
同じように薄青色の一合瓶の冷酒を頼んでいた。
彼は、牛皿を食べていたようだった。
私の前では50代の豊かな体格の女性が、楊枝を使っている。
事務服のユニホームだから、お仕事の途中なのだろう。
黙って前を向いて、歯を片手で隠しながら、ほじほじしている。
「みんな、独りなんだ」
その独りの姿に、私なんかはほっとしたものを感ずる。
「私だけでない。みんな独りなんだな」の実感だった。
だから、こうしてバスに乗って街に出ることだ。
私は、あき乃で蕎麦焼酎を飲みながら、人間ウォッチングをする。
ただ、数秒の出会いであっても、不思議とその人の日常生活・物語わ感ずる。
「ただ今」と部屋のドアを開けても、シーンと返事の無い生活。
テレビの音だけが、音である静けさ。
独り言に、自分が驚く、独り暮らし。
特に、本町市場があるので、ここをあるくのはお年寄りが多かった。
孤独をどう慰めるか。
それは、私だけでない、みんなの課題でもある。
でも、独りぼっちは、私だけでないということの気付きは、
少しだけでも、その孤独を癒す薬となるようだ。
3つのテーブル、3人のお年寄り。
午後2時から、冷酒をトン汁をつまみに呑んでいる。
彼も独り。私も独り。
それでいいことを、この店で学んだ。
スマホを忘れたから、この店で呑めた。孤独感を少し癒した。
しめて、1987円。これは、牛丼並み卵つきを食べての金額だ。
本当にリーズナブルで、助かった。
それから、私は、5キロ近くの道を歩いて帰った。
本当は、このことが目的だったはずだ。-
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