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from: クマドンさん
2021/02/07 06:51:57
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不思議だなぁを生きている
生きていても、いいんだと思う。
ただ、息をしている。生きている。それで充分だ。
欲はあまり無くなった。
特に、このコロナのおかげで移動ができない日々である。
だから、自分の日常・身の回り。
それだけあれば、何だか充実したものだと感ずる。
今、ここ、自分。
ここにあるものだけで、それでいいと思う。
それなりにやりたいことは、どんどんやっている。
昨日も、午後1時半に家を出たら、帰りは9時半を過ぎていた。
行くところが在り。やりたいことが在り。話したい人が居る。
そのことがあれば、それでいいの話だ。
余生なんだなぁとも思っている。
いろいろと考え方が歳をとると変わって行った。
このコロナのおかげで、その変化は確かに加速された。
つまり、今、ここ、自分、一日。
そのことだけを考え、そのことだけに集中する。
さっきまでの過去のことは、一切忘れてもいい。
約束事は、メモ帳に記録しているから、忘れてもいい。
とにかく、過ぎ去ったことは、こだわらない。忘れることだ。
確かに、ぐずぐずと悩むことは、大したことでないような気がする。
そして、ここでぐずくずしたとしても、その過去は変わらず、事実はそのまま。
そんなことすら、当の相手はすっかり忘れているかもしらないのに、
そのことを悔やみ、悩み、後悔して居たりする。
それを、辞めた。
私が忘れたら、それはどこにも存在しないことなのだ。
だから、わざわざ覚えていることはない。
忘れたことすら、忘れるくらいが丁度よいかもだ。
昨日、凄い男に出会った。全く忘れる名人だった。
Tという彼は、私の明訓高校時代の同級生だ。
TETTOで土曜日の夜、彼と奥様と数回一緒のカウンターだった。
私は、彼とは同じ歳だとは知っていた。
しかし、まさか同じクラス・同じ担任だったとは、想いもよらなかった。
しかし、私は、彼のことをうっすらとは覚えていた。
白山神社の鳥居の前が、彼の家だからだ。
しかし、彼は、全く私と言う人間の存在を記憶から消えていた。
それは、見事という他は無かった。
そして、私だけでなく、覚えていたのは担任の名前だけ。
同級生の名前も、一人も彼の記憶には残っていないのだ。
「高校時代の話を、聴いたことはありません」と、奥様が語っていた。
ここまで行くと、確かにレジェンドだった。
それでも、彼は医師として現役だった。
きっと患者さんには優しい、いい医者なのだと、私は思った。
つまり、覚えなくていいことは、覚えていないという生き方なんだ。
ついさっきのことも忘れる。
意識は、今、ここ、目の前のワインにパスタだ。
語ることも少なく、その流れて行く時間を味わいつつ、黙って息をしている。
ある意味、達観したこの生き方には、後光のような輝きすら感じられた。
「忘れない」ということを、決めるのではなく、
「忘れる」「忘れてもいい」と、のほほんと生きる。
それは、まさに「無為自然」そのものの生き方だった。
執着はないだろう。こうしなければのこだわりもない。
自分で決めたルールに従って生活しないと、イライラとして落ち着かない。
そんな人たちの生きづらさとは、全く関係なくのほほんと生きている。
「それでいい」「それがいい」と、
私は、「誰だっけ」と、私の顔を見て笑っている彼の、
そう言えば高校時代から変わらないその生き方が、
何だかとてもとても羨ましく感じた。
覚えていなくてもいいことは、覚えない。
忘れたいことは、すぐに忘れる。
本当は、そうした生き方こそが、達観した生き方そのものなのだと、私は思う。
彼は、少なくとも高校時代からそれを身につけ、そうやって63歳まで生きて来た。
医師として現役であるから、それなりの収入はあるだろう。
患者さんたちとのかかわりの中で、感謝されつつ生きている。
それは、彼にとっての生き甲斐である。
高校時代、目立たずに、陰の薄い存在であっても、
今は、こうして、毎週土曜日に夫婦でこの店に食事に来ている。
それが、彼の生き方だった。
63歳。どんな生き方をしているか。それか、その人の人生そのもの。現われそのもの。
私は高血圧・血糖・尿酸の薬を毎日飲みながらも、こうして不自由なく生活できる。
健康とは言えないが、そこそこの身体で生かされている。
そのことには、感謝、感謝だ。
そう考えると、息をしていることだけでも、大したことなんだな。
生きていたら、こうして同級生とは認めてもらえなくても、
懐かしい人に出会う機会がやって来る。
生きていればこその在り難さだな。
いつも思う。いつも感ずる。
「不思議だなぁ」と。
その気持ちを忘れなければ、けっこう生きることは楽しいものなんだ。-
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