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from: Felixさん
2007/04/19 21:34:01
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白戸太朗「スポーツ"TRY"アングル」開けてしまった蓋
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それは3月9日の記者会見から始まった。
西武が2選手に裏金を払っていた事を発表。
その後、早稲田大学では選手が退部し、木村選手謝罪会見。
その後もアマチュア関係者170人に謝礼金を払っていたことを発表。
一方、横浜が申し合わせ金額を大幅にオーバーしたお金を支払っていた事が発覚、球団社長と那須野選手が謝罪。
今度は、特待生制度が発覚した専大北上高は野球部の自主解散を決めた。
一度開けてしまったパンドラの蓋は止められない。
さて、今回の事件で正直なところ本当に驚いた人がどれだけいたのだろう?
金額の多寡や、方法論はともかく、このような事があるのはどこかで分かっていたのではないだろうか?
将来の就職先や進学先から金銭やそれに変わるものを受け取る。
そんなことはありもしないと思っていた人がどの程度いるのだろうか・・・現在の報道や周りの反応に違和感、いや白々しさを覚えているのは私だけでないと思う。
断っておくが、私は直接取材したわけではないので、あくまでも推測でしかないし、断定は出来ない。
だから事件を裁くような事は書けるはずもないが、この状況には違和感を覚えずにはいられない。
西武が発表した170人という数字に表されるように、この問題は1球団や1校の問題ではないことははっきりとしている。
ある関係者は「そんなに特別なことではなく、これが通常のやりとりだった」と語ってくれた。
つまり、業界全体においてやらないと良い選手が取れない、つまりスカウト業務が成り立たない。
スカウトも球団も生き残って行くための選択肢だったことが伺える。
まあ「皆がやっているんだから、我々もやらないと」という感覚だろうか。
まさに談合がスタンダードだったお国らしい体質!?
さて、ここで関与者探しを続けるべきなのか?
そして彼らを制裁すべきなのか?
もちろんルール違反者には警告を与えペナルティーを科すのが世の中のセオリーである。
彼らを見逃す事は罪を認めるという解釈にもつながるし、なにより非難の矢面にたった木村選手や清水選手、専大北上高校野球部に申し訳ない。
多少の違いはあっても、これに近い事があったのは誰もが気付いている事なのだから。
しかし、このまま追及していくと野球界にとてつもない打撃を与えかねないのも事実。
そして、その際に非難を浴びる選手も、甲子園という目標をなくしてしまう高校生も被害者だという事を忘れてはいけない。
野球憲章という歴史のある規則があるとしても、高校生がそれを判断できなかったとして人生を否定されてしまうのはあまりのも忍びない。
また、特待生制度に関して、他のスポーツでは当然のようにあるのに、野球だけがこうなってしまうのも考えていく必要があるだろう。
再発防止のために現状を把握する事は必要だが、ただ魔女狩りのように関係者を切り捨てていくことだけが大切だとも思えないし、トカゲの尻尾切りになってしまうのも危惧される。
そもそも、プロ球団は当然だが、大学や高校もスポーツを事業として強化しているのは否めない。
つまり強いチームは学校の宣伝になるし、生徒募集において大きな追い風を作り出せる。
少子化の今、広告代理店まで使って学校広告をだす時代だけに、「スポーツを利用するな」という方に無理がある。
たとえば「学費免除はいいが、金銭授受はいけない」というようにもう少し現実的な規則に変更するべきだろう。
あまりに理想論で現実離れしすぎている規則だと、地下に潜るだけで結局見えにくくなるだけだ。
プロはプロで、球団ごとの強化という観点でなく、「日本プロ野球」という企業体を進化させる考えを持つべきだ。
1球団だけがどんなに強くても、球界全体が盛り上がれるシステムが作れないと、いずれはメジャーリーグに飲み込まれるだけ。
育成努力は球団単位でするとしても、選手の獲得は抽選運だけに頼るくらいでもいい。
まずは日本の野球界を魅力的にすること、選手たちに日本の野球界に入ってもらうことが大切だという事を忘れてはならない。
抽選運でしか選手を獲得できないとなると、青田買い市場での資金投下は意味を成さなくなるだろう。
そして最も大切な事は再発防止の仕組みやルール、そういう考え方の定義を業界全体で作ることだ。
この機会に完全に体質変換を図る必要がある。
このまま流れていけば、どこかのゼネコンのように担当者の首がつけ換わるだけで、本質的には何も変わらないままに終わってしまう。
ここまで事が大きくなったついでに、体質も大きく変えて欲しい。
この事件は、その大きなチャンスを与えてもらったのだと思う。
業界の慣行を変えるには大きな外圧が必要だ。
その外圧は今まさにかかってきている。
目先の裁きでなく、根本的なシステム変更に踏み切れるかが、今後の野球界を左右するだろう。
パンドラの神話の最後にはこんな話がある。
「災いが飛び出して驚いたパンドラは、蓋を慌てて閉めた。そして、その壺の底に小さく残っていたものがあった。それは『希望』だった。そのために、人間はどんなに苦しい状況に遭遇しても、小さな望みだけは持ち続けるようになった」
このくだりは後で付け加えられたものだという説もあるようだが、今回の野球界にはぴったりのような気がする。
スポーツは失敗や敗北した時にこそ学ばせてくれるのだから。
まさにそれを証明する時だ。-
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