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from: Felixさん
2007/07/10 19:53:41
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二宮清純「プロ野球の時間」
楽天の大健闘を支える“窓際族”の野村信者
球団創設初年度の勝率は打率程度の2割8分1厘。
2年目は3割5分6厘。
「パ・リーグのお荷物」と呼ばれていた楽天が今季は大健闘だ。
7月1日現在、31勝39敗2分、勝率4割4分3厘で4位西武から3.5ゲーム差の5位。
クライマックスシリーズ(3位以内)出場も夢ではない。
チームを変えたのは72歳の野村克也監督だ。
監督就任2年目で徐々にではあるが、“野村イズム”が浸透しつつある。
楽天での「野村学校」の優等生といえば38歳の山崎武司だろう。
目下、2冠王。
ベンチでは野村の言葉に何くわぬ顔で聞き耳を立てている。
「監督のいうことは、だいたい当たるんです。たとえば捕手のリード。次はここやろ、このボールやろ、と。ちゃんと選手を観察しているんですね。監督と会って初めて“考える野球”の意味がわかりました。“そのプレーはどうなんだ?”と聞かれたとき、パンパンと言い返せばそれでいい。要するにそのプレーに根拠があるかどうか。漠然とプレーしているとなにも言い返せない。こういう選手は使ってもらえない」
同じ話はヤクルト時代の小早川毅彦(現広島打撃コーチ)からも聞いたことがある。
広島を自由契約になった小早川は移籍先のヤクルトでレギュラーの座をつかもうと必死だった。
ベンチでは常に野村のそばに座り、野村の“ボヤキ”に耳を傾けていた。
「驚きました。監督が“このバッターはここを狙っているぞ”と話すと、ほとんどそのとおりになる。ヤマカンではなく、監督は常に根拠を追究するんです。考えることの大切さを教わりました」
山崎にしろ小早川にしろ“野村信者”にはなぜか前の球団を解雇された、いわば“窓際族”が多い。
人間は厳しい立場に立たされて初めて危機意識が芽生え、知識の吸収に貪欲になるということなのか。
年寄りの“ボヤキ”を侮ってはいけない。
<この原稿は07年7月14日号『週刊ダイヤモンド』に掲載されています>
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