昨年、巨人を自由契約になったジェレミー・パウエル投手（３１）の獲得を巡り、オリックスとソフトバンクの両球団が獲得を発表した問題について、パ・リーグは３０日、東京・銀座の連盟事務所で両球団幹部から事情聴取を行った。

その結果、双方が保有している統一契約書はともに有効とし、パウエルが二重契約状態にあると判断。
「双方から支配下登録申請がされても、受けられない」として、それぞれが善後策を検討し、速やかに報告するよう求めた。

事情聴取では、小池唯夫会長や、元弁護士の井上智治理事長（楽天オーナー代行）らが、両者の統一契約書を確認した。
契約書は、ソフトバンクが原本、オリックスはファクスで送られたものだが、連盟側は、コピーでも本人のサインがあれば法的に有効と判断。
両球団の交渉経過など、手続きにも問題はないとした。
しかし、「判断をするには時期が早い」（小池会長）として、結論を出すには至らなかった。
現時点では、連盟側からパウエル側に連絡を取ることもないとした。

聴取後、オリックスの中村勝広球団本部長は「両球団とも歩み寄る感じではない。あす球団で協議するが、長引かせない方がいい。ただ、すがるところは連盟。どう裁いてくれるのか」とリーグの判断に期待した。
一方、ソフトバンクの角田雅司球団代表は「今までの経緯を説明した。正規の交渉をして普通の契約をした。（二重契約と判断され）びっくりしている。（二重契約は）ないと思って締結した」と話した。

（読売新聞）