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from: kさん
2006年05月09日 22時20分36秒
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捨て猫と向日葵
灼熱のアスファルトの上
ボロホロの段ボール中に
私は捨てられた
突然の雷雨で
ズブ濡れ
夜になったら
急に冷え込み
涙と震えがとまらなくなった
ミルクももらえず
ただ前を通り過ぎていく
たくさんの人たちの足下だけがみえる
でも、傘をかぶせ
タオルで包んでくれた人がいた
抱き上げて
濡れたからだを拭き
強く抱きしめてくれた
近くの踏み切りから聞こえる
遮断機の音
傘もささずに
彼は
走って人混みに消えた
嬉しかった
でも
温かさを知ってしまい
より切なくなった
太陽の陽射しが暖かさを
感じさせてくれ
私は自分の足で
彼をさがしはじめた
見つけた家の窓の中には
ペルシャ猫が
ソファーの上で暖かそうに
眠っていた
私を見つけた彼は
仕方がないなと
ミルクをくれた
その日から毎日
窓辺に行き
彼の笑顔だけを
見にいった
もちろん
家の中には入れない
でも、太陽の暖かさに
似ていたんだ
彼の温かさが
月日が流れ
ペルシャがねむっている間だけ
そっと
窓をあけて撫でてくれる彼
ある日突然
夜中に窓辺で
涙を流す彼をみた
私は庭に
そっと向日葵の種を埋めた
私が太陽の変わりに
夜の彼を暖めるために…
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