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from: kさん
2006年05月23日 10時36分06秒
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母猫と首飾り
記憶の彼方にあった
私の生まれたまちへ
子猫を連れて帰り着いた
時は流れ
あまり住み心地のよい場所ではなくなっていた
縁の下で子育てに励む
頭上から
居候が住み着いたな
という老夫婦の声が聞こえた
気分のいい時には食べ物をくれるので
子猫を育てるためには多少は我慢
と自分に言いきかせる
体力の戻った私は
一人出窓まで彼に逢いにいった
元気になった彼をみて安心した
部屋の中のペルシャはどこかへ出掛けているようだ
彼は私を抱き上げ
温かいシャワーで身体を洗ってくれた
お前美人がだいなしだなぁ
といいながら
綺麗にしてもらったあと
彼はテグスとビーズでできた
首飾りをくれた
緑にピンクと青のビーズは初夏の花たちのよう
太陽の光に輝き宝石にもみえる
私が植えた向日葵は
出窓まで背丈が届いていた
気まぐれなペルシャが戻る前に帰らなくては
私は彼の耳元でありがとうと一声鳴いて走り去ろうとした
彼はもう一度きつく抱きしめ頭を撫でながら
負けるなよ
と笑顔で言った
帰り道
うれしさと不安がいっぱい
一本の見えない細い糸で繋がれた首飾り
過酷な生活の中で切れないで
お願いだから
本当にうれしかったの…
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