とうとうロ短調の本番終わってしまいました。
知人に「旗揚げ公演にロ短調だなんて無謀なと思ったけど、やっぱりね。でも、次の公演に期待したくなるような内容でした」と言われました。確かに、マエストロとバッハを演奏したいがために、正月に集まったばかりのメンバーで大曲を歌っちゃいましたが、あれだけバラバラだった声を一流のプロのオケの音やソリストの歌と交じらせながらよくまとめてくださいました！　あらためてマエストロはすごいと思いました。せっかくまとまった声がリセットされないうちに、次回の演奏会に向けてがんばりたいですね。

マエストロはロ短調が終わっても、今度は新国で２つのオペラの準備が始まったようで大忙しそうです。私は9月に「ドン・カルロ」を観てから新国のファンになりました。フィデリオを楽しみにしています。

「ドン･カルロ」は、初台に住む前出の知人とオペラシティーでランチをしてから、ひとりで観に行ったのですが、「あなたは何て幸せなのでしょう」と何度も言われました。その時は不思議に思っていたのですが、ランチの後、新国のエントランスまで友人に送ってもらい「さあ、ここからあなたはひとりで行くのよ」と芝居がかった言葉で見送られたときに、すぐに分かりました。目の前にレッド･カーペットが広がり、高級ホテルのベルボーイのような方が向こう側の両サイドでお出迎えをしているではありませんか！

こういうときに頭をよぎるのって本当にくだらない。。。「え〜と珍しくおニューのワンピースで、、、日傘を持ってて、、、」と、
知人を振り返る余裕もなく劇場内に吸い込まれ、夢のような時間を過ごしました。あとで、聞いたところによると、絨毯を朝から手入れして広げたのも、ベルボーイのように観客ひとりひとりをお出迎えしてくれたのも新国のスタッフとのこと！　今シーズンのオープニングを祝うイベントで、初の試みだったそうですが、どうか来年もやってください！

そして思いました。演奏会は舞台に立つ人だけがお客様に感動を伝えているのではなく、演奏会場に１歩、足を踏み入れたときから演奏は始まっているのだと。なんの実績もマニュアルもなく、ゼロからあらゆることを始めたTBSでしたが、当日のスタッフとして合唱のメンバーを支えてくださった皆様方、大入りで大変だったと思います。お陰さまで演奏に集中できました。本当に有り難うございました。舞台に立つ側は、心の中でレッド･カーぺットを敷いてお客様をお迎えし、次も聴きに来たくなるような、日本を代表するようなバロックの演奏団体を目指したいと思います。

これからも、厳しいご指摘と温かい気持ちで私たちを見守ってください。
（初カキコから長くなってしまい申し訳ありませんでした）