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  • from: ピョン吉さん

    2007年01月25日 00時08分33秒

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    「こころ」の思い出

    ご無沙汰しています。
    今日この頃で話題にあがっていた「こころ」。私の思い出を少しばかり。

    高校1年だったか、現代国語の教材になっていて、1学期かけてほとんど全文を読まされました。細かく章に分けてあって、少しずつ読み進めるわけです。毎時間、その部分に関する設問が出され、グループで討論させる、みたいな授業だったかな。

    エゴイズム、利己主義、個人主義・・・高校生の私は、主人公の気持を全く理解することができないで、正解を示されても違和感を感じてばかりいました。むしろ、読み進めるたびに、妻や周りのことなんかちっとも考えないで、一人でウダウダと悩んでばかり、自分のことしか考えない独りよがりな主人公に相当腹を立てていました。試験も、これまたお決まりなのですが「このときのKに対する先生の気持ちはどうだったか」みたいな問題が出るわけです。
    試験勉強でさえ、主人公への拒否反応からはかどらず、実際腹が立っているものだから、正直に自分の感想を書き綴って、生まれて初めて赤点なるものをとりました。素敵な思い出です。

    ああ、なんと大人気ない。こんなことでは受験戦争に勝ち残ることはできない!!授業なんだし、読書感想文じゃないんだから、自分の感想を書いても仕方がない。
    その後は、マークシート世代。4拓でどれが一番正解に近いかを嗅ぎ取る能力を研鑽し、とりあえず学校の試験は「教師が望む答えを丸暗記」、これで決まりです。

    なんだか、後味が悪いし、そんな勉強ばかりの現代国語への印象も悪くなって、夏目漱石や明治の作家先生の作品はそれから縁遠くなってしまいました。おまけに、本が好きだった私の、文学を研究できたらよいなあ、という淡い想いも、「現代国語」という受験科目の壁が立ちはだかり 諦めてしまいました。

    そうですよね、もう高校生ではないんだし、「こころ」の「先生」の年齢も多分超え、今だったら、もう少し違った感じ方ができるかもしれないですね。

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