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from: 聖歌隊の助っ人さん
2009年02月24日 11時21分22秒
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負の世界遺産&十二音技法?
「今日この頃」のヨハネ講座を興味深く拝読しております。遺されているバッハの2つの受難曲のうちどちらが好きかと問われたら、私は情熱的・劇的であると同時に
「今日この頃」のヨハネ講座を興味深く拝読しております。
遺されているバッハの2つの受難曲のうちどちらが好きかと問われたら、私は情熱的・劇的であると同時に最終曲のコラールで信仰・神学的に昇華するように感じるヨハネ受難曲に軍配を上げてしまいます。(マタイはマタイで好きですけれども)
>救世主の受難は、ホロコーストや広島の原爆などと同じような「人類の愚行」である。(そのⅠより)
処刑具である十字架がキリスト教会に掲げられているのは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所や原爆ドームが「負の世界遺産」として登録されているように、受難の象徴としての十字架を負の(世界)遺産として捉えているように改めて思いました。
>これは遠くはストラヴィンスキーなどが得意としたポリリズムというやつで、バッハの他の作品を探してもここまでのポリリズムはあまりない。すごく独創的で新しい。(同)
別曲の話で恐縮ですが、私は今マタイ受難曲のコラールの練習をしており(テナーパート)。第1部の終曲を歌いながら「これって本当にバロックなのか? 十二音技法って20世紀に入ってからだよな」と、目を回しています。
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from: franzさん
2009年02月26日 09時38分39秒
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「Re:負の世界遺産&十二音技法?」
Franzです。
>
> 処刑具である十字架がキリスト教会に掲げられているのは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所や原爆ドームが「負の世界遺産」として登録されているように、受難の象徴としての十字架を負の(世界)遺産として捉えているように改めて思いました。
負の世界遺産という言葉、気に入りました。
十字架を見つめることは大切なのだけれども、
十字架そのものを必要以上に美化することに抵抗を覚えるのも、
これが負の遺産だからなのです。
ヨハネ受難曲の中で、たとえばキリストの死の直後の、
コラールを伴ったバス・アリア32番の自由詩のように、
荒唐無稽ともいえる内容のものがあっても、
バッハの音楽自体は常に「真実」を語っています。
32番の自由詩は、
「そしてイエスは頭を垂れて息を引き取られた。」
という福音史家の言葉を受けて、
十字架上で死にゆくイエスに、
矢継ぎ早に質問を浴びせかけます。
「わたしは死から解放されるか否か?」
「世界は救済されうるか?」
など。
イエスは苦痛のあまり言葉を発せないが、
その代わり頭を垂れて、
沈黙の内に「しかり」と答えたというのです。
んな阿呆な!ただ死ぬのに頭を垂れただけじゃないか。
でもバッハの音楽は、
イエスの死の直後の静けさと厳粛さを物語っている。
それで充分です。
物事はシンプルに考えた方がいいのです。
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