義兄は定年退職後野鳥観察を趣味にして、仲間と連絡を取り合い、珍しい野鳥が見つかると飛んで行って写真を撮っている。

１か月ほど前、興奮した面持ちで写真を見せてくれた。
近くの森林緑地で撮影したという。
野鳥図鑑によると、１９８５年に西表島で確認されたのを最後に確認されていない珍鳥とある。
何も知らない私は、「新聞社に投稿したらビッグニュースのなるね。」というと、「とんでもない。そんなことをしたら全国からマニアが集まって、森林緑地一帯が荒らされ、野鳥が来なくなり、仲間から爪はじきにされる。」そうな。

気候温暖化で、南の島から本州半ばまで飛んできたのだろう。
そして静かに少数の愛好家に姿を見せて、２，３日の滞在でまたどこかへ飛んで行ったＴ（野鳥の名前）は、また新しい場所で少ない人々に姿を見せ、そして去っていくのだろう。

案外何も知らないのは、野鳥図鑑出版社だけかもしれない、と思ったりする。