帰省してお墓参りする人も多いと思います。

　仏教では輪廻転生、人は死んで生まれ変わり、また死んで生まれ変わる繰り返し
と言われています。
　この間に生前の行いにより六道をめぐることになると。

　さて、お墓では先祖にお参りし，供養するのですが、先祖はすでに何かに生まれ
変わっているでしょう。すると供養している先祖はすでにあの世にはいなく、別の人生、
生活をしていると思います。

　今生きている私も生前は、前世は生きて家族に囲まれ、生活していたのでしょうが
死んでからはその子孫が私の墓にまいってくれているのでしょう。

　しかし、今生きている私には子孫の供養は全く意識できません。
　同様に墓に参って供養している先祖はもうそこにはいず、どこかで生きて生活
していると思えます。

　このことから、我々の墓参り、先祖供養はどういう意味があるのか疑問になります。
　供養している先祖はすでに別の世界で、供養されている意識はなく、生活していると
考えられるからです。

　では先祖の供養は必要はないのか、無意味かと思うのですが、そうではないと考えます。

　すでに赤の他人となった子孫が今の自分を供養してくれている、そして自分はすでに
赤の他人となった生まれ変わった先祖を供養する。
　このようにして、自分は供養されて生かされ、自分は供養して生まれ変わって他人と
なっている先祖を供養する。

　おのおの自覚のないまま供養され、生かされていることは本当にありがたいことと感じる次第です。