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from: 一久さん
2006年01月01日 20時27分44秒
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新・社会主義
【新・社会主義】
社会主義とは、共産主義の低級段階のことである。
いま、この言葉を考え直してみて、インターネット社会において社会主義とはいかなるものとして存在しえるであろうか。
インターネット上の共産主義社会とは、個人の能力で情報財を創り出せる状態を意味する。だから、掲示板のLOGや、比較的単純なソフトウェアは共産化できるし、すでにそうなっている。アマチュアによる小説は数えきれないほど発表されているし、マンガも公開されているものが少なくない。
しかし、である。消費者のニーズを汲み取って、それにすばやく答えていく、というようなコンテンツは、極めて少ない。なぜならば、共産主義においては提供者は基本的に個人であって、そのような作業は個人の趣味の範囲を超えるからである。将来的に、消費者のニーズを調査して迅速にHP上で開示することを趣味とする人々が現れれば話は代わってくるであろうけれども。
MSウインドウズと、リナックスとの争いをみればそのことがよく分かるだろう。リナックスは世界中の技術者が支援しているのに、XPに勝つほどには普及しない。その訳は、MSがユーザーの嗜好を調査して売れる物を技術者に作らせているのに対して、リナックスは技術者達が作りたいものを作っているだけだからだ。
では、リナックスにも市場調査を専門家とする「文系技術者」が現れて、なにを作ればいいかをHPで発表したらよそそうなものだが、たとえそんな人が現れても、事態は変化しない。なぜならば、プログラマー達にとって、そのような作業は毎日会社や取引先にやらされていることと全く同じことだからだ。自分の作りたいものを作るから趣味でやれるのであって、他人に指示されたものを作るなんてことは、仕事意外ではする気になるまい。
インターネット社会における社会主義、「新・社会主義」とは、この問題を解決するものとして提唱されるべきものである。
つまり、コンテンツの作者に対して、報酬を支払う第三者を持つ。その出資者は、コンテンツの使用権をフリーで公開し、代償を求めない。そういうシステムである。
このようなものも、すでにネット上で実在している。企業が公開しているソフト(例えば、オープンオフィスなど)や、出版社の公開しているマンガ(じゃりんこチエ番外篇など)、YAHOOやGOOのニュースや天気予報などもこれにあたる。
出資者と制作者の関係は資本主義のままであり、普通に報酬のやりとりがある。しかし、制作された作品と消費者との間にあるのは共産主義であり、消費者は必要に応じてとることができる。このような形態こそが、新・社会主義である。
共産主義にしても、新・社会主義にしても、すでに実在するのであれば、大げさに言う必要はないんじゃないか、と思われるかもしれないが、そういうものではない。現実を言葉で記すことによってその本質を明確にすれば、その明確になったモデルを使って応用が効くようになるからである。
新・社会主義のシステムを応用すれば、いままでスポンサーになるなどということは考えたこともなかった人間が、出資者になることもできるようになるのである。
例えば、週間アスキーの読者が出資しあって、新OSを開発させる、というようなことだってできる。出資者はスポンサーとして、こういう機能を持たせろ、とか言う権限を持つ。が、資本主義的に利益を求めたりしない。利益を求めるから、需要数(つまりマーケット)に縛られて斬新な開発ができないのだ。マーケットを考慮せずにすむのであれば、純粋に良いものを作らせればいい。それができるかどうかは、単純にコストと集金額で決まる。
戦争フリークが千人集まって、年間一万円を出資して、紛争地帯に一年間契約で特派員を送り込むことだってできる。ほとんどの戦争報道記者・カメラマンは、これよりはるかに劣悪な契約で戦地での取材を行なっている。一千万円で一年間の契約ならば、志願者は断りきれないほど多数になるだろう。-
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