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  • from: 一久さん

    2006年02月11日 21時09分46秒

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    官僚病について

    図書館で考える

     
     官僚についての考察

     例えば私が近所の小さな図書館に、大塚久雄著作集を古本屋から買って寄贈しようとしたとする。ただし、私には条件がある。この本は貴重なものなので、市の中央図書館に持っていかれる恐れがある。また、収蔵された図書館でも、開架されずに書庫に保管される危険がある。事実、大阪市と大阪府の中央図書館に収蔵されているものは、どちらも書庫に死蔵されている。これでは、「だれにでも分るように」と、この著作集を編むときに大塚氏がわざわざ書き直した努力が無駄になる。「だれにでも」触れることのできる状態にはないのであるから。

     そこで私は条件を付ける。この小さな図書館から動かさないこと。開架棚におき、貸し出しできるようにすること。このふたつである。ところが、図書館の係員は、図書館に置く図書の選定は図書館でやるので、寄贈された図書がどうなるかは保証できない、というの
    である。これではまったく、お話にならない。

     この図書館の決まりによって、古本屋は私に本を売ることができず、市民はこの本に触れることができないことになる。 誰もが損をすることになるのである。

     さて、大塚久雄著作集ほどの文献を、もしも読書家であったならば寄贈されることを欲しない訳はない。だが、図書館の役人にそういう意識を期待できるかどうか。そもそも、この小さな図書館が住民の為になるように運営されるには、図書館の役人が運営するということそれ自体に無理があるのではないだろうか。

     もしも図書館のサービスを向上していこうという意識があったならば、寄贈された図書の行方は役所にまかせろ、などと言うはずはない。慎重に選定のうえで、受け入れるかどうか決定してからお預かりするというのが筋であるはずだ。

     そうでないのはなぜか?

     それは、図書館員が寄贈を受ける、本を選ぶということに、なんらの精神的作業も要求されていないから、である。精神的作業とは、ここでは住民に良い書物に触れる機会を与えたいという意志であり、そのために本を選ぶ行為である。

     そういうものがカケラほどもあれば、寄贈を申し出る者に対して、最低限度の誠意を示すはずであるが、まったくないのであれば、寄贈品は単にゴミと同じ扱いを受けることになる。

     ここに官僚制の本質がある。つまり、官僚にとって精神的作業というものは本来、彼らの業務ではないのである。図書館の係員の例で言えば、彼らの仕事は貸し出しや返却を滞りなく行なうことであり、図書をキチンと整頓することである。住民によい本を、とかいうことは、本来、彼らの仕事ではない。

     そういう判断は、もっと別の人々、実務者とは別の、住民サービスの改善を目的とする指導者が別に置かれねばならないのである。いわば、業務改善担当者である。そのもとにブレーンとして地域の読書好きのサークルなどを加えるのもよかろう。

     つまり、実務をこなすものと、精神的な仕事をするものを分離しなければならないということである。ところが実際には、両者は分離されていないうえに、精神的な仕事のほうは、その存在さえ危うい。しかも、その精神的な仕事が、実務者の意志によって浸食され、実務者の都合のよいように動かされてしまっている。この状態こそ、官僚支配、官害、と呼ばれるものの正体である。

     だから、官僚支配の弊害を是正する為にやるべきことの第一は、実務者と精神的な仕事をするもの(これを目的者と仮に呼ぶことにする)を明確に区分けすることである。

     実務者は実務のみをやる。目的者は目的を達成する為の方策を探し出し、実務者に実行させる。もしもその行政サービスの評判が悪い場合には、担当の目的者が左遷されることになる。左遷された前任者にかわり、広く役所外からも人材を求めるて業務改善を促進させるべきなのだ。

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from: 一久さん

2006年02月11日 21時11分42秒

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「芸人と官僚」
官僚病の分析

 官界に限らず、すべての職業は官僚病にかかる因子を持っている。すべての職業には、実務を無難にこなすという目的と、より改良された財(商品・サービス)を提供するという使命との二つの目的があるからである。官僚の場合、実務をこなすことが、業務を改善することよりも極端に重視されるがゆえに、目立っているだけで、すべての職業が同じ病気にかかる可能性を持っている。

 ものごとを分かりやすくするために、官僚病になりにくい職業をひとつあげると、芸人がそれであろうか。とくに売り出し中の芸人がそれである。彼らは、日々より良い芸やトークを展開できなければ、明日は凋落するかもしれない。だから、彼らの仕事は、実務をこなしながら新ネタを常に増やすことを求められる。だが、名前が売れて、ちょっとやそっとでは人気が落ちないようになると、芸人もまた官僚病にかかる。いわゆる慢心というやつだ。

 仕事には、業務改善と、実務遂行の二つの種類があり、ともすれば業務改善が実務遂行の犠牲にされてしまう。実務は日々必要とされるが、業務改善は失効猶予期間があるからである。また、改善の為に新規の事をはじめる場合、日常業務に支障をきたすことがあるからでもある。

このような不都合を避け、つねに業務改善を行なえる体制を作るには、実務遂行から独立した業務改善を目的とする部署を作る必要がある。これに相当するものがない組織は、必ず官僚化するのである。

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