【お笑いも東京発】

「大阪の誇り」という、その大阪の笑いも、いまや東京発と
なっている。（いや、かなり前からだが）

東京キー局の番組に出演しない限り、いくら大阪で頑張っても、
全国的には無名のままである。

昔、「クイズ百人に聞きました」で、大阪の人百人に聞いた
問題「一番面白いお笑いタレントは？」で、東京の回答者
は「明石家さんま」と答えたが、順位は最下位に近いところ
だった。

当時のさんまは、まだ東京ローカル番組で売り出し中だった
のだ。

第一位は、ツルベイ。ラジオのヤングタウン、関西ローカル
のＴＶ番組「突然ガバチョ」などで、人気が出てきたときだった。

この時点において、「さんま」と「つるべい」は、東京・大阪の
それぞれローカルで最も売れているお笑い芸人であった。

だが、東京を抑えたさんまは、その後急速に全国に知られる
ようになり、大阪に残ったつるべいの活躍は常にさんまにお
よばない。

お笑いでさえ、東京発の電波に乗らなければ、全国展開でき
ないのである。それが現実なのだ。

「大阪の誇り」などと言っている場合ではない。


【橋下知事も東京発】

当の橋下知事が知られるようになったのだって、東京発の
ＴＶ番組で全国的に知られるようになったからだろう。

決して、大阪ローカルの番組から東京キー局へスカウトされ
たのではない。

東京発の全国的知名度に魅力を感じた在阪各局が出演を
依頼しただけのことだ。

ＴＶがあるから知事になれた、というのは厳密ではない。

ＴＶも含めて、東京集中という現実があるから知事になれた
のだ。

橋下知事も、東京発、なのである。


【ではどうすべきか】

大阪発で全国に発信できるシステムを作ればよい。

とはいえども、電波はすでに東京の支配下にある。

ならば、ネットしかあるまい。ネット、衛星、ケーブルＴＶを使
って、大阪発全国、全世界行きの放送局を自前で持つこと
だ。

もし、既存の芸能プロ（吉本・松竹）が協力しないようならば、
新団体を設立することさえ視野に入れねばならない。

プロ・アマを問わないコンテストやリーグ戦を作り、その模様
を全国に発信する、というスタイルをとる。

レヴェル別に区分けすれば、質を上げていくことも可能だ。

つまり、最下層レベルは一組三分間の演技。以降、高得点
を得た組は、上級リーグへ進出し、演技時間もそれに合わ
せて増えていく。

最上級リーグの所属芸人には、それだけで食えるだけの報
酬を用意できるだろう。

もっとも、その段階にまでくれば、東京や在阪のＴＶ局からも
出演依頼が来るようになっているであろうけれども。

元気な街とは、チャンスのある街ということだ。

そして、チャンスがある街とは、その街にいれば、全国に顔
を知られるようになる機会がある街ということだ。

チャンスがある街に、新しい技術や情報を持った人間が集ま
り、その人々がもたらすものを見たさに、また人が集まる。

ゆえに、東京に全国ネットの放送局が集中している現状では
東京だけが栄えるのは当然の帰結なのである。