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from: 一久さん
2009年02月22日 07時07分10秒
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直接民主制とは何か
「直接民主主義」の考察
群盲象をなでる。象に様々な部分のあることを知らなければ、一部を見て全部
を計る過ちをおかすことになる。故に、すべての考察はまず対象となるものの
分析からはじめなければならない。
簡単にいえば、それは何を意味するのかを、問いつめてみることである。
* * *
「直接民主主義」
直接民主主義とはなにか? この言葉には次のふたつの意味が含まれている。
1. 直接に国民が賛否を決すること。
2. いちいちの案件について直接に国民が賛否を決すること。
いうまでもなく、「2」こそが真の直接民主制度の理想に近い。だが、しばし
ば「1」だけを満たしていれば直接民主主義であるかのような誤解が横行する
し、そのような事態を指して直接民主が独裁を生む、との妄言もでる。
「いちいちの件」について国民が賛否を決めることができないならば、それは
直接民主ではない。最も解り易い例を以下にのべよう。
「ヒットラー総統に対する全権委任法案」を直接民主で可決することは、直接
民主主義であろうか?
たしかに、この一件に関してのみは直接民主的ではある。だが、これが可決さ
れた後は、すべての案件は総統の一存で行われる。いちいちの案件について国
民が意見を述べる機会は永久になくなる。
ということは、「いちいちの案件について」を否定する提案を支持するという
ことは、直接民主主義の自殺に賛同することと同じであるということになる。
つまり、直接民主主義は自爆装置を内臓している。
「いちいちの件」を否定する提案に賛成することによって、自爆できるのであ
る。
そして、「1」をもって直接民主主義だとしているひとは、直接民主がいつ何
時、独裁に化けるかもしれないと恐れるか、逆に、自爆装置であることを知ら
ずに「いちいち」を否定する提案に賛同したりするのである。
前者は「無知ゆえに恐れる者」であり、後者は、「無知ゆえに恐れぬ者」であ
る。ともに愚者というより他はない。
* * *
直接民主主義は、「いちいちについて」を否定することができないことが明ら
かになった。これを否定するときは、直接民主主義が自殺するときだけである。
ところで、いちいちの案件について国民が賛否を決するという状態のひな型を
我々は知っているはずである。それは、いわゆる言論の自由であり、その保証
された社会である。
言論の自由がある社会においては、国民はいちいちの案件について自由に討論
することができるし、自分達の主張を他の国民に流布することもできる。決定
権こそないものの、国民の支持を得ようとする行為は直接民主に通じるもので
あろう。
だから、独裁者は、常に「いちいちの件」を嫌う。直接民主から「いちいち」
を切り離すことを無意識にもくろむ。その際、上に述べたような直接民主に対
する民衆の誤解は、非常に好都合なものである。
我々は、直接民主主義を標榜するのであるならば、常に「いちいち」が守られ
る提案なのかどうかを注意深く観察しなければならないのである。
直接民主主義とは、
「”いちいちの案件について”国民が直接に賛否を決することである」-
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