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  • from: 一久さん

    2009年02月23日 20時12分53秒

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    近代民主主義2

    中性国家の成立条件


    中性国家の政治的決定の方法が内面的価値から切り離されたものであると
    するならば、政治上の決定を行う場合にも内面的価値からの制約はあって
    はならないことになる。

    例えば、多数決という無機的決定方式について、他人の意見を尊重せねば
    ならないだとか、よく問題を吟味しなければならないだとかの内面的価値
    を押し付けることはしてはならないのである。なぜならこのこと自体が、
    あるひとつの価値観を他の価値観を持った人間に強制することを意味する
    が故に、そのような内面的価値から距離をおこうとする中性国家の本質と
    矛盾する行為だからである。

    中性国家の決定方法の条件は、このような道徳的価値観からではなく、純
    粋に物理的・形式的な必要を持ったものとして規定されねばならない。

    連帯ということ

    様々な内面的価値を持った人間が、各々のいだく正義の違いを乗り越えて
    中性国家として統一の決定を持つことができる為には、国家を構成するこ
    れらの人々が、国家としての法的な決定に一応の服従を誓うことができる
    という認識をもっていなければならない。これを連帯といおう。

    ようするに中性国家のなす法的決定に対して最低限度の信頼と忠誠をすべ
    ての国民が共有していること。これが中性国家成立の条件なのである。

    このような連帯なくして中性国家は有り得ない。

    では、いかにしてこのような連帯は生まれるのか。ここに至ってはじめて
    先に否定した「他人の意見の尊重」などのアイテムが必要になってくる。

    自分の意見を聞いてくれないような社会に誰が連帯を持ち得ようか。自分
    の民族に対する差別を放置しているような国家に誰が連帯を感じるであろ
    うか。まともな吟味を行おうとせず強行採決をしようとする国会に誰が連
    帯を認め得ようか。

    これらを満足させる連帯の為のアイテムがあって初めて中性国家は成立す
    る。これらのアイテムは、多数決の道徳的前提条件ではなくて、多数決が
    行い得るための物理的必要条件なのである。この条件の一応のクリアなし
    には多数決は不可能であるし、強行しても意味がない。反対者は誰も従わ
    ないであろうからだ。

    ヨーロッパの道徳的優越

    ヨーロッパ近代国家が中性国家化したのは、宗教戦争の結果としての妥協
    であるのだそうな。しかしながら、一旦中性国家と化した以上は、上記の
    ような理由によって連帯保持のための”物理的条件としての倫理”が発生
    するようになる。

    ここに言論の自由だの少数意見の尊重だの他の意見に対する寛容だのの精
    神が生まれ、ヨーロッパの道徳的優越という錯覚を我々に与えたのであろ
    うと思われる。

    だが、ここに見てきたように、これらのことは近代国家の必要条件なので
    あって、道徳的な価値とは無縁のものである。否、道徳的価値から離れる
    ことによって初めて真に獲得することのできる物理的条件なのである。

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