とある講義で、視覚障害を持つ友達がゲスト講師として登場した。
もうずいぶんと前から、今日に向けての準備をしていて…
「オレの波乱万丈の人生を紹介することになる」なんて言っていたけれど。
実際にかなり勉強になった気がするので、その内容をここにもチラッと。

話しの中でも一番意外だったのは
「全盲の人だって、目隠しをされたら怖くて歩けない」
という話。
視覚障害の人がどんな感じの世界にいるのかを体験してみる…
なんてイベントで必ず出てくるのが、
「アイマスクをして白杖を持って、ペアと一緒に歩いてみよう！」
全盲なんだから、要するにアイマスクをしているのと同じ状態なんでしょ？
…と、思っていたけれど、実際は違うようで。
たとえ全盲の人でも
「見えないなりに、周りの雰囲気を見る感覚」
があるので、実際、アイマスクをして歩く事とはまったく意味が違うのだとか。
これは今でも誤解が多いらしいけれど
「目が見えない＝真っ暗闇」
では無いという事を考えてみれば、確かに意味合いが違うことに気づける話なのかも…
（同じく視覚障害を持つ 郡司ななえ という人の本なんかには、全盲の自分から見えるのは「強い乳白色の世界」だという表現も）

その他、テレビなんかについては…
「全盲の○○、奇跡のデビュー！」
というような、見出しや売り出し。
「…障害があるから注目されているのか、実力があって注目されているのか分からない」
そしてもっと露骨なのは、「感動できない若者」みたいなタイトルの、たま〜にやってる番組。
彼が見ていたその番組では、視覚障害者がサッカーをしているVTRが流されて、司会が「これを見てどう思いました？」なんて聞くものだったらしい。
指名された若者が「別に…障害があるからかわいそうとか、そういうわけでも無いし…」なんて正論を言った瞬間、会場の客は「え〜！！？」
…とんでもない偽善者集団（苦笑

彼は全体を通じて、ノーマライゼーションとかなんとか、聞こえのいい事はよく言っているけれど、実際の意識はどーなの？
という疑問を投げかけていたように思えた。

実際の学校生活にしても、例えば買い物なんかをする時には、当然なにがどこに置いてあるかは分からないので
（最近はICチップを使って、音声ガイドができる仕組みを開発しているらしいけれど…）
「一緒に買い物つきあってくれる？」
というのが日常。
…だけど、「やってあげてる」感を抱いた事はないし
（実際、友達の買い物に一緒について行ってるだけ）
下宿生活だって、健常学生と同じように楽しんでいる（らしい）

健常者ですら、誰かしらに手助けを借りて生きているのに、なぜか障害者の手伝いをするとなると
「かわいそうだから」「不自由だから」
考えてみれば不自然な事が、普通にまかり通っているのは何で？
そんなメッセージのように受け止められたのが、今回の話しだった。

…うーん、うまくまとまってないなぁ（苦笑

今日の天気:雨