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from: アヒル村長さん

2008年08月23日 01時53分38秒

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冒険6,7日目

この夏の冒険最後で、自身初となる1泊2日のシフト。2日間一緒になる団体は、とあるスポーツクラブの子ども達(と、コーチ)スポーツクラブと言っても、冒険2

この夏の冒険最後で、自身初となる1泊2日のシフト。
2日間一緒になる団体は、とあるスポーツクラブの子ども達(と、コーチ)
スポーツクラブと言っても、冒険2日目のように男の子ばっかりではなく、今回はちょうど男女半々ぐらいというメンバー。

この2日間を通じて思ったのは…
とにかく、反応が良い子達だったなぁということ(笑
どちらかと言えば、大して面白い話はできないはずの自分なのに、普通に話しているだけでもずいぶんと楽しそうな表情。
…反面、食事中の一コマを見ると。
スタッフがメニューについて話している時に、誰がどう見たって盛り上げようとしていることが分かる動きをしても、無視(苦笑
それでももう一度同じ動きをすると、そのメニューが好きな子(?)は反応してくれるけれど、そうでないと反応してくれない。
今まで一緒になった子だと、大抵は全員が(とりあえずは、お情けで?)反応してくれていたので、この光景はなんだか新鮮。

そして、着替えを済ませて、川まで歩いていこうという場面での一こま。
交通量が限りなく少ないので、歩いていく道自体は安全だけれど。
この場面ではどの団体でも、歩いている列の前と後ろが離れて、列がどんどん長くなっていくので、そのままでは、目的地につくのが遅くなってしまう。
なので、暑さ対策も含めて、側溝を流れる湧き水(川の水?)をバケツで汲んで、遅い子にどんどんかけていく、なんてイベント(?)が用意されている。
(水が冷たいので、水がかかるのが嫌な子は前へ逃げて行くし、逆にかけて欲しい子は止まっているけれど、
「アヒル(以後、自分の仮名)より前にいない子にはかけない!」と言えば、喜んで走って行っちゃう 笑)

…で、その「バケツで水かけ担当」になったのが、自分。
まずはバケツ1杯分を後ろにいた子ども達にかけていくと、逃げる子が半分、もっとやってくれも半分。
ということで、2杯目を準備して走って行くと、最初に走っていった子が
「アヒルより後ろだと水をかけられる!」
「アヒルより後ろだと水をかけてもらえない!」
と、両方が前の子に伝えて逃げていったので、逃げる子と止まっている子がさらに増えて、もう1回水かけ。
水かけ担当になったのが初めてだったし、今まで見ていた中で一番盛り上がりがよかったので、いつでも対応できるようにとすぐに水を用意すると…
それを見ただけで、かけて欲しい子も逃げて行く子も一気にダッシュ(!
ということでなんと、全体の半分くらいの子が一気に走り出して、そのまま先頭を歩いているスタッフと、その周りの子を抜かして行ってしまうことに(ウソ!?

こんな反応は予想外だったけれど、予想外でも、当然やりすぎ。
先頭のスタッフに「煽りすぎだ」と注意されたのは当然のことだけど…
かけられるのが嫌だった子からも「アヒルやりすぎ(や)!」とのツッコミを多数いただくことに(苦笑

今まで見ていた感じでは、「冷たいからやめてくれ」と、水かけ役に言う子が数人いたりはしたけれど、
やめろとかではなくて、ツッコミが飛んできたのはこれが初めてだった。

…と、こんな感じのやり取りがずーっと続いた2日間。
(やりすぎたのはこの時だけ…だと思う)
今まで一緒になってきた子達とはなんだかちがう雰囲気。
というのも、実はこの団体、この冒険に参加してくる中でも一番遠い方の団体となる、
関西方面からやってくる団体だった。
(他の団体は愛知と岐阜からがほとんど)
もちろん、関西の人たち全員がノリノリだとは思っていないし、物静かな子だって現にいたけれど。
それにしても、あの楽しげな雰囲気はすごかったなぁ…

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from: アヒル村長さん

2008年08月25日 20時24分43秒

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「中心スタッフが語ってくれたこと」
・「暗闇」という存在について

1泊2日の冒険に参加する子ども達に用意されている、ナイトハイク。
山の中ということで、夜になると本当に真っ暗。
月明かり以外にあるのは、ぽつんぽつんと建っている民家の灯りと、必要最低限以下の数しかない街灯の灯りだけ。
舗装された道とはいえ、そこを懐中電灯も何も用意しないで歩いていくので、足元はよく見えない。
だから、子どもは結構怖がったりする。

…けれど、ふと上を見上げると、そこには満天の星空が広がっていて、天の川も見えている。
それに気づくと、歩いていく事を怖がっていた子も、感動の声を上げて星空に見とれていた。
今までは単に恐怖の対象であったはずの暗闇が、少しだけイメージの違うものに変わったらしい瞬間だった。

実は、1泊2日といっても、中心スタッフ以外は別の場所にまとまって泊まるため、ナイトハイクの後には宿泊場所まで送ってもらったのだけれど。
その道中で出会ったのが、野生の鹿2匹(親子?)と、自分の地元にいるやつとは比べ物にならないほどよく走る、野良猫。
そんな動物達と出会いつつ、宿泊場所へ送ってもらう途中に話してもらったのが、こんな内容の話しだった。

「人間は、明かりが無くては動けないようになってしまった。
防犯対策で街灯も増えていたりするので、冒険に参加している子ども達なんかは、
夜になっても明るい環境にいて、暗闇と接することができなくなってきているのかもしれない。
そうでなくても、子どもには自分達以上に多くのものが見えているから、周りが真っ暗になってきて、目に見えるものが少なくなる事がとても怖く感じられても、しょうがないかもしれない。

他の団体には、ナイトハイクに子どもを連れて行って、そこで怖い話とかをする所もある。
それも良いのかもしれないけれど、暗闇は果たして、子どもを恐れさせるためのものなのか?
それに、暗闇を子ども達にとっての恐怖の対象とする事に意味があるのかどうか。
空を見上げれば月が明るくて、星がきれいに輝いていて。
さっき見た鹿やネコだって、夜の間もああやって動き回っている。
耳を済ませると、虫の鳴き声が聞こえたり、水路や川を流れる水の音も聞こえてくる。
風が吹く音だって感じる。
そこには、目には見えないけれど、確かに存在するものがあるっていうことが伝わってくると思う。
夜は目に見える星だって、朝には見えないけれど、なくなるわけではない。
街の中は光で溢れていても、こういう田舎に来れば、夜本来の姿が見える。

夜になったから、周りは真っ暗で、月明かりが照らしているくらいしか光なんてないようなもの…
そういう所に来ると、自分達は地球に住んでいるんだってことが実感できると思う。
普段はそんなこと考えないでしょ?
いきなり話されたって、イマイチ実感できないことだし。
…でも、こういう人工物が少ない自然の中にいる時だからこそ、普段は感じられないことを伝えられるんじゃないかって思うし、
少しでもそういうことを子ども達に伝えていく事が、この団体の願っている事のひとつだと思う」



・経験について

「昔俺らが子どもだった頃なんかは、子どもにもそれなりの役割があって、ある程度の責任があった。
そういう役割が増えていく中で、だんだん子どもから大人へと進んでいく感じ。
だけど今は、子どもの役割なんてほとんど無い。
責任もなくて、子どもから突然大人になる、というような。
それでいて「自己責任」でしょ?
無責任でいられた世界から抜けると、突然自己責任がのしかかってくる。
それで動けるやつなんていないって。
(中略)

子どもというか、やれるうちにいろんな悪い事をしとくべきだと思う。
でないと、悪いことをやったり、道から逸れちゃった子の気持ちなんて分からないから、大人になったって対応できない。
例えば、カエルとかの解剖なんか…

ああいうやつって、かわいそうだからやめろと言いたくなるけどさ、
「かわいそう」という思いに至るまでの経験があるからこそ、やめろと言えるわけで…
そういう事を全くやったことがない子には、かわいそうなんて思えない。
そりゃぁこれでは、ナイフで刺しちゃったりする奴が出てきてもおかしくないと思う。

かわいそうだとか痛いとか、そういう事を学ぶには必ず犠牲が必要になる。
肉や魚を食べることだって同じ事。
悪意とかそういうのより、無邪気さや好奇心を持ってカエルの解剖とかができるうちに、
いろんなことをやっておくべきなんだと思う。
かわいそうだとか、そういうのを教えるのはそれからでないと…


これを聞くと、1泊2日中の夜やっていた「たたかいごっこ」なんかは良い例なのかも。
友達同士とか、ましてや小さい子相手だったらこんなことを思いっきりやることはできない。
たぶん、父親相手とかでも、遠慮が入ってしまうだろうし…
自分、久々に良い役周りができた??(笑

遠慮なく、思いっきりぶつかって行っても受け止めてくれる存在って大切なんだろうなぁ。

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ナオ