「絆」

http://www.kanken.or.jp/years_kanji/

予想通り。しかし残念。
異常なほど蔓延していて、なおかつどこを取っても安っぽい使われ方しかしていない可哀そうな漢字…
それが「絆」
なにしろ、絆と叫ばれるわりには絆が強まっている感覚なんてほとんどない。
一部を切り取って例にしてしまえば、「いのちの電話」なんかへの相談件数はどんどん右肩上がり。
これでは「絆が足りないから、もっと必要だからという意味での今年の漢字」とすら受け取れかねない。
…まぁ、それも含めて今年を反映している漢字だと言えるのだろうか。


自分が選ぶなら…今年の漢字は

「始」

世界に目を向けると、いろんな所で民主化運動が起きて。
南スーダンなる国なんかもできて。
良い方向へ進むかどうかは別として、何かが変わりつつあることは事実。

例の地震が起きた時なんかは、いろんな所から援助部隊が登場。
島国にあって、いろんな国とのつながりや身近さを実感できる機会ってほとんどない。

「人と人との小さなつながりは、地域や社会などのコミュニティだけでなく、
国境を越えた地球規模の人間同士の『絆』へ」

という記述がリンク先にも載っているけれど、そういう感覚が抱けたということも、きっと何かの「始まり」になるのだと思う。

それに…ふと思い出されたのは大量の寄付金。
結局どこへ行ったのか。ちゃんと必要とする人々に渡ったのだろうか。
思いだしたらずいぶんと気になる（苦笑
…募金や寄付なんて、今までは丸一日テレビのあれこれで集まっていたイメージしかない。
でも、今回は違って。
募金に限らず、あの日を境に確実に新しい価値観が生まれて今にいたっている気がする。

なによりも「始まり」を感じたのは、インタビューを受けた人々が語っていた様々な言葉。
これについては計り知れない思いが込められていると思うのでノーコメントだけど、
色々な思いが行きつく先を目指して、再び歩みが始まっている…のだと思う。


…と、あれこれ思いつつ今年の漢字ベスト20を見てみたら。
同じような意味合いが込められている感じはあっても、「始」は無い。
うーん、やっぱりちと不謹慎な漢字なのだろうか。

今日の天気：晴れ