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  • from: アヒル村長さん

    2012年05月15日 01時13分09秒

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    突然すぎる訃報

    推理作家の吉村達也氏死去

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120514-00000146-jij-soci

    知っている人は知っている。知らない人は全然知らない(←当たり前
    有名かマイナーかといえば、推理小説作家…彼自身はその呼び名を嫌っていたとみえるし、
    実際そういうカテゴリに収まりきらない人ではあったけれど。
    いずれにしても、さほど注目されることが無いジャンルとあって、それほど露出度が高かった人ではないのだと思う。

    でも…朝読書の時間に、たまたま家にあったこの人の本を読んで。
    それまで自分が抱いていた「推理小説」のイメージをぶち壊すとんでもない作風に一気にはまり。
    (それまで読書なんてしなかった自分は、推理小説=2時間サスペンスでおなじみの西村京太郎的なものだと思い込んでいた)
    以来ずーっとこの人の本を読んでいた。
    個人的には、村上春樹と並ぶ本当に大好きな作家さん。

    推理小説なのにやたらとマニアックな観光ガイドのような内容がちょくちょく含まれていたり。
    心理に深く踏み込んでいて、読み終わった後も何か考えさせられるものがあったり。
    表紙に緑色の発光塗料が塗ってあるホラーチックな小説とか、
    本を開くとラベンダーの香りが漂う、富良野が舞台の「ラベンダーの香り付き」推理小説とか。
    そういう「おそらく世界初だろう」と語る謎のこだわりが施された本があったり…
    内容の方も変わっていて、ほんのちょっとしか登場せず、おまけに名前すら出てこないような近隣住民が実は殺人犯だったり、
    主人公が本の半分以降…おそらく150ページくらい読まないと登場しない話があったり。
    とにかく、他の人が書いたものならありえないないようなことが平然と、
    しかもすごく自然な成り行きで違和感なく起こる。
    今までで一番驚いたのは、重要な手掛かりとなる写真が一番最初のページに堂々と載せてあったこと。
    …本を読み返せばいくらでもネタが出てくる、他の人には絶対に真似できないであろう、そんな作家さん。
    それが吉村達也という人物だった。

    最近では「魔界百物語」と銘打った、文字通り100巻にも及ぶシリーズを再スタートさせる…と。
    一度3巻目まで出版していたシリーズをリセットして、今の時代背景に合わせた形でもう一度1からスタートさせると言っていたばかりなのに。
    当然胃ガンだったことなんてどこにも書かれておらず、
    公式サイトには
    「突然ですが、私はこの度、死んでしまいました」
    なんて遺書まで載せられている(苦笑
    もー…なにがなんやら。

    「二回転半ひねり」の内容が持ち味と語る氏は、最後まで作風を保ってこの世を去る…
    読者は最後まで作者に「騙されてしまう」。
    正直残念どころの騒ぎではないけれど…
    御冥福をお祈りします。

    …うーん。
    彼のことを知らない人には、きっとなんのこっちゃさっぱり分からない書き込みだよなぁ(苦笑
    探してみると、意外と近所の図書館にも置いてあったりするこの人の本。
    興味のある方は探してみてください。

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