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  • from: アヒル村長さん

    2013年01月28日 11時46分29秒

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    集大成

    今日は代休日。
    土曜日にあった授業参観の関係で、のんびり。
    良い天気だから自転車を走らせたいけれど、今日の朝方やおとといに降った雪のせいであちこち凍りかけていたりして…
    ま、変則な日曜部活あけ、久しぶりにフリーな日。
    じじばばちゃんは配達に走ってほしいみたいだし、たまには大人しくしていよう(笑

    それにしても土曜日。
    この日は年に一度の「販売実習」なる日。
    知的の養護学校独特の「作業学習」…畑仕事とか洗濯、掃除、木工などなど。
    1年単位であれこれの班に分かれて、まとまった時間作業を行うというもの。
    目指すものは卒業後の就職。
    直接卒業後の進路に直結する作業内容は少ないものの、挨拶返事報告、それに時間を意識すること、そもそもの「作業に集中」して「自分に任された仕事に責任をもつ」意識をはぐくむ…
    そんなあれこれを目指して行われる授業で。
    おとといあった販売実習というのが、1年間の作業で頑張った成果をお客さん=親とか地域の人、それに卒業生に見てもらえる1年に1度の機会。
    (卒業生には同窓会経由で「この日にこんな行事があるよ」と連絡が届くそうで、一般の高校ならありえないほど卒業生がやってくる)

    で。
    今回自分が入っている班には、修学旅行のときに「飛行機が落ちるんじゃないか」と噂される所以となった子…
    それこそ今流行り(?)の体罰疑惑であわや懲戒免職処分を受けかけた、「善意のおばちゃん(苦笑」登場のきっかけとなったあの子がいて。
    以前の体育祭では、応援に来ていた人の髪の毛を引っ張ってコケさせるという伝説も残しているだけあって、非常に危険。
    でも、高等部生活最後、もっというと12年間の養護学校生活最後となる大きな行事。
    卒業式を別とすれば、家の人が子どもの活躍を目にできる最後の日。

    「とにかく安全第一!」

    というスタンスで、それでもなんとか会場となる体育館にできるだけいられるように。
    どうなるかなぁと不安半分、学校祭の時のように良い姿を見せてくれるのではという期待も半分。
    問題の当日。
    もーめちゃくちゃ頑張った。
    「奇跡」とまで言う先生もいるほど、本当によーく頑張った。
    販売中は体育館を回って、自分たちのブースから商品をいくつか手に持っての「出張販売」。
    持ち前の満面の笑みでニコニコとしながら、一緒にぐるぐる。
    1周回ったら休憩、そしてまた調子が整ってきたら「行くか!」ということで、再びブースから商品を受け取って出張。
    ちょうど、見に来てくれたお父さんお母さんにもその姿を見せることができて、一番の目標を無事達成。
    本人もずーっとニッコニコ。

    その後は危なくなったところで一度自主避難を経て…いつもならこちらが「避難だ!」といって場所を変えるけれど、自分から危険信号を発して避難して。
    その後復活して戻ってきて、また出張販売をして、商品完売。
    「完売しました!」のお礼がてら体育館をもう一度回ったりもできて。
    結局時間内すべてを暴れることなくすごせて、一時を除けばほとんどの時間を会場ですごせていたことに。
    実習終了後に「小爆発」を起こしてしまったものの、誰にも何にも手は出なかったし、何よりも「一番危険な人混みわんさか」な実習中を耐え抜いた。
    文句なし、百点花丸。

    受け持っている国語の時間に3年間の振り返りをしようと、これまでの写真データを見ていると…
    ほとんどの場合お付きの先生とのマンツーマンの写真で、みんなと一緒にいる場面がなかなか少ないこの子。
    それが今年に限っては、墜落して奄美あたりで漂流することもなく、体育祭で種目になっていない相撲を勝手にとることもなく、学校祭の舞台で前衛的な一人芝居を演じることもなく。
    見せ場見せ場ではなんだかんだで頑張ってきた、ということになるらしい。
    とりわけ担任の先生と副担任の先生、ついでに周りの先生もかなりのダメージを被っているけれど(噛まれて骨にひびが入ったり 苦笑
    写真を見る限りでは、彼なりにはしっかり成長していっている。

    「ずーっとニコニコしていれば、こんなにかわいいやつはいないのになぁ…」

    と、誰もが口をそろえるこの子。
    逆にいえば、落ち着いている時のニコニコがあるからこそ、前代未聞の大暴れをするのに可愛がられているとも言える。
    とにかくひたすらに可愛い。
    多動なら歳と共に落ち着いていくことが多いようだけど、この子の場合そういうのではなく「発作」と呼ぶにふさわしいもの。
    卒業後の施設は、うーん。
    ウワサでも、一瞬実際に目にした感じでも、「うーん」なところ。
    …果たしてどうなるのか?

    いずれにしても。
    全国屈指のひどい環境にある学校でも、担任副担任が傷だらけで頑張るとこういう子だって成長できる。
    もちろん体罰なんていらない。
    ある意味「口で言っても分からないなら…」みたいな理論に最も近いこの子たちでも。

    「体罰があってもあの先生は良い先生だったし、みんな慕ってついて行く。現に卒業した今もそう。
    …だけど、あの先生がいるから同窓会に出たくないという同級生もいることを知った。
    自分が受けた体罰というものを正当化したとき、それが周りにはどう見えているのか。
    それは今までに考えたこともない視点だった。
    体罰を認めること、そうして認められた暴力が奪うのは、他者の視点から自分を見直すきっかけなのではないか」

    前回チラッと書いた謎の「教育者」理論を掲載していた新聞。
    今日読んだら、今度はこんな趣旨の言葉が載っていた。

    今日の天気:晴れ

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