藤田嗣治といえば、乳白色の下地の上に面相筆で繊細な線を描き、油彩を透明に使って描いたことで、それまでにはない独特の画風を確立しました。
　下地には硫酸バリウム（体質顔料）などを使ったそうですね。テレビや画集ではよくわかりませんが、実際に画肌をよく見てみると、細かいひびがわかります。剥離まではいかないようですが、キャンバス地に何層も重ねて研磨するような下地を作るには、やはり板絵のほうが安全かもしれませんね。丸めてしまえないのが難点ですけれども・・。