年の始めがあれば　年の終わりがあるのは　当たり前で、
だからいまさらになってあわてる必要もないのだが、やっぱり
年の暮れになってみると、あれもこれもと、ウロウロする。1年３６５日の最後の締めくくりをつけておきたいと思うのであろう。

　　人間　生まれた時があれば　死ぬときがあるのは　当たり前で、だから　死が近付いたからとて　いまさら　あわてる必要も
ないのだが、さて　となると、やっぱりあれこれと　気ぜわしくなる。

　年の瀬は　むりやりにでも　越せるが　生命の瀬は　そんな具合には　ゆかない。
　年の瀬は　これを越してしまえば　年の始めがある。しかし
命の瀬は　それで　おしまい。まことに　融通のきかない話である。
　しかし　融通がきかないからこそ、人はまた真剣にもなるので
あって、融通無碍（むげ）もいいが、融通のきかないことにも
また　一得（いっとく）がある。

　ひとは　さまざま。事は　さまざま。いろいろと気苦労なことも
あるが、人生の最後には融通のきかない一線がある事を知って、
つね日頃からこころがけをよくしたいものである。

　　こんなことは　わかりきった事だが、わかりきった事だけに

なんども　自分に　言い聞かせておきたいものである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゆき　の独り言。