「０６年１１月１５日Wednesday」
時は平成１８年１１月、学生の自殺が空前のブーム(？)となっている今日この頃。本当に新聞を見ていても、気分は暗くなる一方。担任曰く「マスコミが騒ぐから、連鎖反応みたいになってるんだろうね」確かにそう思う。最近、無数の命の灯が消えている。
…その流れに乗って、自分も消えてしまいたい、なんて思うことが増えた。そんなこと、絶対にいけないってのは、重々承知している。でも、ここ最近の無気力感は自分でもよくわかっている。なにをしていても気だるい。
自分は認められない人なんだ、みたいな事を、よく思う。いくら努力したって、それが報われたことはない、逆にみんなに迷惑をかけるばかり。何かにつけてすぐ怒られるし、中学まではいじめにだって遭ってきた。もう自分を認めることはできない、認めたくても認められない。振り返れば「俺は正しい」なんて思ったことは、たぶんない。いつもどこかしら「俺は間違っている」なんて思っているんだ。自分を肯定できない。全部俺が悪い…そんな考え方をしてきた。
部活の練習中に先生が「なんか学生が死んでるけどな…お前らは絶対死ぬなよ！！」この言葉が、妙に痛かった。今考えてることを見透かされているようで…。死んではいけない、それはわかってる。でもさ、もう嫌だよ。いくらいくら耐えて努力して頑張っても、それが報われることなんてない。逆に努力もなんにもしないで、口や技術や権力だけでのし上がっているやつもいる。しかもそういう人間に限って評判が悪い、にもかかわらずしぶとく生きてたりする。こんな理不尽な世の中に、もう目を向けたくない…それが今の本音。
『辛さに耐えられず、死んだ人は、負け』なんていうのを聞いた。痛みに耐え、むしろそれを跳ね返してやるくらいの意思を持たなければ、もう負けなんだって。俺だってそんな経験ありますから、よくわかりますよ。でも最近思うのは「もう、負けてもいいや」って。心の奥底に「もう何も考えず、楽になりたい」なんていう曲がった意識があるんだろう。
一番消えたいと思うのが、部活の時。まず音楽室に行くのがかったるい。練習中はまだしも、練習が終わった後の無気力感と失望感は否めない。原因はわかってるさ。あの評判の悪い理不尽野郎が目の前にいるから。こいつを見てると、心底部活を辞めたくなる。お前みたいにやる気のないやつに、何で俺はたたかれてるんだろう？理不尽だ理不尽だ。あの人に言われた「君が辞めたら、あいつの思う壺だよ」へぇ、知らねぇし。なんにも考えたくない。ただただ泣きたくなる。自分でわかるけど、今の俺は皮一枚で繋がっている。これで部活辞めたら、本気で死ぬ勢いですよ。死んではいけない…なんとか言い聞かせてる。
気がつけばとんでもないこと考えてるし…国道か線路にでも飛び込むか、リストカットか…なんてことを。馬鹿だ馬鹿だ。そうやってさ。もう…。
俺が消えたら、みんなのコト裏切る事になるんだよね？まだ疑ってる。「自分は嫌われているんじゃないか」「やっぱり信頼されてないんじゃないか」なんてことを。俺が消えたコトを喜ぶのは、あの理不尽野郎だけだと信じたい。俺の今一番の望み、それは「あの理不尽野郎を消してください」です…ずいぶんとまぁ、皮肉なこと。

自分自身が言うことをきかない。
その自分にこれだけは言っておく「死んだら負け」と。

助けて…。

「０６年１１月１５日Wednesday」
部活が終わった後、教室で１人で勉強していた。
６時過ぎ、警備員さんが巡回にやってきた。「なんだ、勉強してんのか？」「あ、はい」「そっか」なんか、警備員さんの笑顔がうれしかった。あの人パッと見厳しそうなんだけど、話すといい人なんだよね。
トイレに行こうと席を外す。すると廊下で、物理のＩ先生に出くわした。真っ赤なジャンパー着てるよ…。なんとなく会釈しておく。

「０６年１１月１５日Wednesday」
６コマ目の休み時間、いよいよ限界がきたので、窓を開けようとする。するとベランダで何かをやっている。
「ちょっと閉めてくれ」「だって、中いると頭痛ぇんだ」「じゃぁ、外に出ろ」外の方が空気がいいもん、外に出る。
窓を閉めた直後、いきなり爆音が！爆竹だ。「パーン！！！」相当でかい音だぞ、職員室まで聞こえたらどうするのよ？とか思いつつ、そこにいた人に混じって「ウィー」なんてあおってみたりして。しかし、どこで手に入れたんだか…っていうか、火薬くせぇぞ。
教室の中の数人に「今の音聞こえた？」すると「はっきり聞こえた」「そんな音したの？」の２つにわかれる。いや、今のは聞こえただろ。っていうか、火薬の臭いが教室の中に。これで先生にばれなかったのがすげぇよ。