「１１年０３月１５日Tuesday」
なぜそういうことになったのか、経緯を書く。時間軸は昨日だ。

バイトも中止だし、原発も怖いし。もう何もする気が起きなくなって、ひたすら寝ている。落ち着かない、とにかく落ち着かない。関東圏の親戚からの電話も鳴り止まず、もうただごとではない。
そんな中、親戚の親戚宅から要請が来た。いわき市薄磯、津波ですべてを持って行かれたそうだ。家族全員無事なのだが、家も着る物もない。なので家にある着ないものを、片っ端から集めて段ボールに詰める。
それからしばらくして、テレビでは菅総理の記者会見が始まった。しかし菅総理、枝野官房長官の話を聞いて唖然となった。第一原発変形２０キロ圏内の避難指示はまだいい…といってもよくないが。それよりも問題は、３０キロ圏内が屋内退避となった。いかん、こりゃいかん。自分の住む自治体の一部も、圏内に含まれた。自宅は３０キロ以上あったが、こうなればもう終わりだ。家族全員、気持ちが下がってきた。
夕方になり、神奈川の親戚から連絡が来た。私と妹、そしてじいちゃんを引き取ると。私と妹は乗り気ではなかった、しかし父ちゃんと母ちゃんは了承した。嫌だ、何より地元を離れたくない。親と別れたくない、大学のバイトだって残っている。しかし…。
話は決まった。車に家中のガソリン、混合油を投入。私らを那須塩原から新幹線に乗せ、宇都宮やら大宮やらでおろす。父ちゃんと母ちゃんは、その変に避難。そういうわけで、ひたすら南下。近所の明かりも、もうまばらだ…みんな逃げたか。
白河まで来た。国道４号が渋滞している…こりゃいかん。栃木に入ってもなお、流れが悪い。父ちゃんの判断により、横道を走る。その結果、なんとか終電の新幹線に間に合った。みんな逃げているのか、新幹線も国道も混んでいる。
結果、宇都宮下車で話はまとまった。宇都宮駅西口で無事に合流し、ひたすら家を目指す。