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  • from: とおるさん

    2019年09月11日 22時05分03秒

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    19年09月11日Wednesday

    ついに、今やっている案件が、今日から現場である。とはいうものの、私自身は現場に行けないので、一緒にやっている先輩が、現場に行った…はず。何事もなかったことを願う。なので、私は取れないでいた夏休みを、今日から取る。ついにだ、さあどうする。例年なら実家の手伝いで終わる夏だが、今回はお盆時期でもない平日だ。こうなったら、滅多にできない遠出をするしかない。というわけで、昨日の夜からスーツケースを引っ張り出し、あれこれ準備。

    そして朝5時、余裕をもって起きた。遠足が楽しみで早起きしちゃうあれである。持ち物を再確認し、始発バスで駅前へ。休日の始発は何度か乗ったことがあるが、平日の始発は初めてだ。混んでいる、けっこう混んでいる。高校生に、白シャツのビジネスマン。朝からお疲れ様です。
    郡山駅に到着、みどりの窓口にて切符を買って、そそくさと改札を抜ける。エキナカコンビニでおにぎりを買い込んで、東京行のやまびこ号。指定席にした、3人掛けの真ん中だった。まあ座れないよりはいいや。おにぎりを食べて、跡はうつらうつら。ラジコって便利ね、本当に。
    無事に東京に到着。速やかに東海道新幹線に乗り換える、博多行ののぞみ号。ビジネスマンがたくさん…ここで罪悪感を感じるのが、日本人の性なのか。こちらも指定席、2人掛けの通路側。まあ真ん中よりはいい。隣の席のスーツ姿のおじさんは、資料を眺めたりパソコンをかたかたやったり。パソコンが見たことあるな…レッツノートだな、被ったな。あ、微妙に違うやつだ。相変わらず、窓の外をしっかり眺めることもできず、ボーっとしている。いったい今通過しているのは、なんていう駅なんだ?
    列車は名古屋に到着。ここでごっそり降りたと思ったら、またごっそり乗ってきた。名古屋より先は未知の世界なので、そこからは窓の外を眺めている。と言っても、日本国内なので、流れていく景色は東北新幹線から見えるそれと、そんなに変わらない。畑の風景が、なんか違うな、くらいの話で。
    京都を過ぎ、新大阪。ここから案内が変わった。「本日も、山陽新架線ご利用くださいまして、ありがとうございます…」ああそうか、ここからはJR西日本なのか。なるほど、車掌さんの制服も違う。新神戸で、隣の席のおっちゃんは降りて行った。ここから先は、列車内は閑散としている。流れていく景色も、本当に見慣れたような風景である。

    なんなら博多まで行ってみたいけれど、今日はここで降りるぞ。人生で初、広島だ。来ちゃったよ、こういうときでもなければ来られない。とりあえず改札を出るまでに若干おろおろ。
    改札を出て、観光案内所でマップをゲットし、次はスーツケースを入れるコインロッカーを探す。駅ビルに、コインロッカーはあった…が、使いたいサイズが満杯である。大小はあいている、中があいていない。ちくしょう、どうしよう。と、ぐるぐるしていると、ちょうど中サイズから荷物を取り出す人を発見。そこにスーツケースを突っ込み、施錠、なんてラッキーなんだ。
    さて、昼飯かしら。駅ビル内のレストラン街をうろつくも…なんかいいや。ってか、こっちなのか?出たのは北口。ん~、違うな、南口へ向かう。南口を出たら…あるある、バスに路面電車。
    路面電車乗り場へ行ったら、まさに向かおうとしている方面の便が出るところだったので、乗り込んだ。路面電車は以前、豊橋で乗ったことがあったが、広島の路面電車はまた雰囲気が違うのね。豊橋の路面電車は軌道がコンクリートだった気がするけど、広島は石?なのかな。それだけ歴史があるということか。車掌さんとお客さんの会話のイントネーションに違和感、いや、たぶん私のほうがここでは少数派の話し方だと思うけど。そんなこんなで、目的の駅に到着した。suicaが使えるのは楽でいい。

    目的の者は、駅のすぐ目の前にあった。原爆ドーム…生きているうちに、絶対この目で見たかった。正直、どこか遠い存在だった。しかしこうして目の前に、ある。正直、最初は直視できなかった。見ているだけで、涙があふれそうになった。でも、ちゃんと見なければ。1945年8月6日8時15分で時を止めた、その光景。よくここまで、残ってくれた、残してくださった。真っ先に思った、戦争はもういらない、こんな負の世界遺産は、これ以上増えてほしくない。それだけだ、ドームに向かって、手を合わせた。
    見渡せば、修学旅行中の中学生に、多くの国内外観光客。みんなどういった思いで、この原爆ドームを見つめているのか。説明文にも目を通す、被爆前は本当に立派な建物だったことがうかがえる。ぐるりと一周し、カメラに収める。やっぱり、涙が出そうだ、この感情はなんだろうか。

    すっかり忘れていた、昼飯だ。ちょっと逸れて、目の前のそごうかいわいを歩く。うどん屋さんがあったので、入る。ねぎ鶏うどんを注文し、出てくるのを待つ。出てきて、食べて…やっぱり汁が出汁なんだよなぁ。風味がやっぱり、東日本とは違った。でもおいしかった、ごちそうさまでした。こうしておなか一杯ご飯が食べられること、当たり前じゃない。

    次は平和記念公園を…あれ?こっちじゃないな。一瞬方向を間違えて、平和記念公園へ。やっぱり修学旅行生の数がすごい、外国人観光客も多い。歩いていくと、目に飛び込んできた…原爆死没者慰霊碑、テレビで見るやつだ。不意に、戦争が本当にあったのだと、感じさせられる。慰霊碑にも手を合わせる。
    そして向かったのは、平和記念資料館。何があったのか、ちゃんと知る。覚悟を決めて、いざ館内へ。まず大きく展示されていたのは、原爆投下前の街並みの写真。戦争の前も、立派な街だったんだ広島は。しかしその次に…焼け野原になった広島の写真。ひどい、ひどすぎる。その前には、被爆前後の街並みを合成した映像もあった。爆弾1発で、こんな大きな町が焼け野原になってしまう…そんなのいやだよ。
    さらに足を進めていくと、いよいよ実際の遺品や写真の展示が。説明文と合わせて、見ていく。被爆者の衣類や、人影の残った石段、折れ曲がった弁当箱や、建物の柱。他には直接の遺品でなくとも、手紙や手帳などの記録。やけどを負った人や救護所、後遺症に苦しむ人の写真や絵。正直、目を覆いたくなるものがいくつもあった。でも、受け止めなければ。なんで、何も罪のない人たちが、命を奪われなければならなかったのか、栗島なければならなかったのか。いろんな感情が渦巻き、たびたび涙が出そうになった。1945年8月6日8時15分、そこで止まっているもの、進んでいるもの。進んでもなお、苦しみだけは残る。原爆は、戦争は、何もプラスなことなんてない。それだけだ。日本人だけではない、現地にいた多くの外国人も亡くなっている。戦争って、なによ。いいことなんて、一つもない。最初はがやがや見ていた修学旅行生たちも、展示が進むにつれて静かになった。何か感じたのだろう、いや、そうであってほしい。
    展示を抜けて、慰霊碑が見える窓のところに来た。ちょっと涙が出た。対話ノートみたいなものがあり、そこに一筆したためる…ずっと"戦後"でありますように。
    さらに、常設展示コーナーへ。核爆弾の開発から、投下に至るまで。そしてかき兵器廃絶に向けた動き。実際に触れる、被爆したものもあった。瓦や瓶、見るも無残だ。さらに、広島の復興への歩みも。
    こうして、展示を一通り見終えた。そこでふと、以前見た、気仙沼の津波伝承館を思い出す。あそこは自分もある程度わかるけれど、人災であれ天災であれ、悲惨なことには変わりない。人災であれば、防ぐことができる。ここにあったことから、何ができるか、考えよう。戦争が、あったのだ、この日本で。
    資料館を出て、再度平和公園内を歩く。大きな折り鶴を抱えた少女像、佐々木偵子さんという女性がモデルだという話は、けっこう有名だと思うが、希望に満ちた子供の命をも奪う、本当に戦争は悲惨だ。どうしたら、戦争はなくせるのだろう。

    公園内を歩くだけ歩いて、路面電車乗り場へ戻る。やってきた広島駅行のワンマン列車。時刻は17時、帰宅ラッシュも始まるわけで、社内は満員。私は一番後ろに陣取る、運転台ってこんなんなってるんだ。後ろからは次の便が接近している、こんな近づくのか。
    無事に広島駅到着。帰宅ラッシュになりかけの駅の中を歩き、ロッカーからスーツケースを取り出す。次、お金、郵便局はどこだ?ゆうちょATMって、だいたい駅の端っこに…あった、郵便局。ここで宿泊費をおろして、宿へ。
    再び路面電車、なんならさっき通過した駅だよ。降りて、歩いて…あ、あった。ひとまずチェックインして、部屋へ。あ~、疲れた。ラジコをつける、本当に便利よね。ラジオ福島が広島で聞けるなんて。
    しばらく休んでから、繁華街へ繰り出した、お好み焼きだとりあえず。歩いて、目についた店に入る。カウンター席に案内されれ、スタンダードのお好み焼きを注文。目の前で焼いていく、店員さんの手さばき、さすが。テレビでは当然のように、広島カープの野球中継。出た来たお好み焼きをいただく、ん~、美味い。麺はかりかり、中のキャベツと肉はジューシーで、そしてここで食べるからなお美味しいんだな。これだけでもけっこうおなか一杯、ごちそうさまでした。
    というわけでホテルに帰ってきて、今に至る。明日はどうしよう、行くところ自体は決めているのだが、果たして明日にするか明後日にするか、順番をどうするか…。

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