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from: yeshangさん
2017年03月29日 21時39分47秒
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「五色の虹 -満州建国大卒業生たちの戦後 三浦英之著 (集英社)
五色とは、日・満、中国、朝鮮、ロシアの五属族を表していて、満州国旗であり、五族の協和のもと「満州建国大学」の目指した満州建国のための指導者、幹部を養成しようとして設立されました。設立は1938年(昭和13年)、1945年(昭和20年)日本の敗戦、満州国崩壊で閉学しました。
この間の満州建国大学の学生たちのこと、その後の人生をルポルタージュしたノンフィクション小説です。
学費、生活費は無償の上少しばかりの手当ても支給される建国大学には日本だけでなく朝鮮・中国、ロシア、満州の多くが応募して優秀な人材が集まり、大学は思想の自由が保障され、コスモポリタンな、まさに国際的な大学でした。
その卒業生たちの建国大学での生活現在の生活と建国大学の意義などをルポした作品です。
歴史に、「もし If」はありませんが、満州が存続し、彼らが活躍していればどのような国家が建設されていたかを考えさせられます。
日本の大学の国際関連の学部、インターナショナルな学部、留学生の受け入れだけでなく海外に進出する企業に参考になると思います。
満州を中心とした東アジアの総合大学として、挫折したとはいえ国際的な大学とその後の建国大学の意義を認識させられる本です。 -
from: yeshangさん
2017年03月29日 20時41分14秒
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「昭和天皇実録 第十、十一、十二」 宮内庁編修 (東京書籍)
今回で昭和21年~34年、昭和天皇48~58歳までの内容です。
戦争は知らない団塊の世代ですが、昭和を生きてきたという気持ちがあって、天皇陛下は大きな存在でした。
第一巻からはパラパラと目を通しただけでよく読んでいませんが、今回の一二巻で終わりにしたいと思っています。
昭和三〇年以降は昭和天皇を知って生きてきたことと、一冊一冊が大きく重くて大変です。
しかし、気が変わって全巻揃えようかともなりかねません。なにしろ箱入りでしっかりした造りで、四〇年近く昭和を過ごしてきた記念にもなると思う次第からです。
思えば来年で平成も三〇年です。
昭和での生涯を平成で越えられるかと思っていましたが、現天皇の退位の問題も出ていて昭和を越えることはなくなりそうです。 -
from: yeshangさん
2017年03月13日 20時26分04秒
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「若冲」 辻 惟雄著 (講談社学術文庫)
若冲に関する伝記や絵画集などが充実しています。
2.5センチほどの厚さで1500円しましたが、豊富な絵画には満足してます。伝記と解説にも文庫ながらこれ一冊で全体がよくわかります。
載せられている若冲の作品のいくつかに、「エツコ&ジョープライスコレクション」の所蔵とされていて、エツコとは私の妹と同じ名で日本人ではと思っていました。
今、連載されている日経新聞のジョー・プライス氏の「私の履歴書」を読んでいますが、先日と今日の話で納得しました。
ジョー・プライス氏は若冲に興味を持ち、収集家になりましたが、日本に来た際、京都で通訳をしてくれた吉持悦子氏とは通訳の縁で結婚したのでした。
本を買ってきて、不思議に思っていたことが何かの機会で解決することはままありますが、これなどはまさに時期を合わせたように感じました。
昨年、上野の東京美術館で若冲展がありましたが、大変な賑わいだったそうで、同じマンションの人は普段は3,4時間待ちのところ1時間半ほどで入場できたと喜んでいました。
私は行こうと思いながら残念ながら見過ごしてしまいましたが、当日の会場で販売されていた「絵画と解説」の書かれた本が新聞で広告されていたので買いました。
これも結構いい本です。 -
from: yeshangさん
2017年03月03日 19時26分23秒
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「下町ロケット2 ガウディ計画」 池井戸 潤著 (小学館)
話題になった下町ロケットの続編です。
先にはロケットエンジンの燃料噴射バルブの開発と成功でしたが、今回は幼い子供でも使える人工心臓のバルブの開発が佃製作所に持ち込まれました。
大企業や医学界、医療機器許認可の機構に翻弄されながらも、その必要性と何より幼い子供たちの命をつなげたいとの思いで佃製作所の奮闘が始まります。
先のロケットエンジンでの開発と同様に様々な開発に関わる苦労、大企業・医学界・許認可機構との障害を乗り越えて開発に取り組む姿が描かれています。
私はのほほんとしたプロジェクトの開発・製造現場にいましたが、中小企業の様々な苦労を感じさせられます。しかし、それを乗り越え、研究開発と生産にこぎつけた努力と成果は中小企業ならではのものと思う次第です。
開発・製造分野に進む若い人には大いに参考となると思います。
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最初の半分くらいはだらだと読んでいましたが、残りの100ページほどは一気読みでした。