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from: yeshangさん
2017年06月22日 20時30分30秒
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「江戸を造った男」 伊藤 潤著 (朝日新聞出版社)
伊勢から身一つで江戸に出て、小商いから材木商となり、幕府の推進する大規模事業に取り組み、持ち前の仕事一途の性格と困難にめげず取り組む姿勢、問題解決能力、とりわけ人を使う能力にたけ、江戸初期の経済の基盤を作り上げた川村屋七兵衛・瑞賢の物語です。
太平洋側東北の福島周辺から江戸までの東回り航路の開設、続いて日本海側坂田から下関、瀬戸内を回る西回り航路の開設で江戸への米と物資の安定供給を実現、高田藩の治水工事を皮切りに大坂の畿内治水事業を完成させ、越後の銀山の開発で幕府の財政に寄与するなど幾多の事業を完成させます。
まさに、250年続く江戸を築く本礎を築きました。江戸を造った男です。
今日で言えば、豊田佐吉、下幸之助や稲盛和夫が思い当たります。
とてもまねのできない生き方であり、智慧や努力ですが、若い人には少しでも参考にして人生を考えてもらいたい本です。
私は、一人で一生懸命働けば生産は上がる、機会を使えばさらに生産は大きくなるが、人を使えばさらに大きな仕事ができると言っていますが、七兵衛の人の使い方には考えさせられます。
本書は500ページの大冊でしたが、興味深く読み終えました。 -
from: yeshangさん
2017年06月06日 23時48分00秒
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「シャッター通りに陽が昇る」 広谷鏡子千与 (集英社文庫)
東京にいて付き合っていた相手に裏切られた英里子は、郷里の父の突然の入院もあって帰郷することに・・・・。
帰ってみると故郷の亀山市はシャッター街になっていました。
実家のフルーツ店もたたまざるを得ないことに。
ここで出会う様々な人たちと街の復興に乗り出すことになります。
ばらばらだった街の人を復興に向かわさせ、アイデアを出しつつ、単発に終わることも。しかし、皆とのつながりを持つことで、徐々に復興の見通しが出てきます。
私の故郷も全くのシャッター街になっています。
かつては、街のメインの商店街ながら、食料品店は一つ、ガス器具・電気店、お菓子屋、表具屋、医院のほかはすべてなくなっています。
街の再興になにかヒントがないか読みました。
舞台は四国の亀山市、愛媛県丸亀市がモデルのようですが、中心市とはいえ、こんな状況です。その復興にどんなヒントが得られるか期待しつつ読みました。
やはり、若者、よそ者、ばか者が必要かと。
よそ者でないとその街の魅力が何なのかがわからない、ばか者でないと思ったことに突き進めない、そして若者の力・外からの若者の来訪かと思った次第です。
外国人が日本の魅力・面白さに日本人が気づかないものに驚き、評価するなどはよくTVでも報道されます。例えば日本のマンホールの絵柄に驚くなど。よそ者の典型です。
本の中身としては面白く読みました。