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from: yeshangさん
2018年02月25日 20時13分32秒
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「西遊記」 太田辰夫訳 (平凡社古典文学大系)
今年の年賀状は、戌年ですから、平凡社の「西遊記」から「二郎真君の哮天犬が孫悟空を捕える」版画を用いました。
平凡社古典文学大系の「西遊記」を知ったのはNHKのFM放送・朗読の時間で、内容の面白さとともに詩が格調高く、よく理解ではませんでしたが、すっかり虜になり、書店をめぐって本を手に入れました。
もう40数年前のことです。
内容の面白さ、詩の格調の高さもさることながら、これは仏教書だとも思いました。
仏教だけでなく神や道教なども語られていて、仏・神・儒・道教についていろいろ考えさせられる内容です。
天界を騒がせた孫悟空が地上に逃げ帰り、それを天界の玉帝が二郎真君に悟空を取り押さえるように命じたのですが、真君の軍勢もなかなか取り押さえられずにいたところ哮天犬が悟空を捕えました。
この時から、犬と猿の仲は悪くなって、「犬猿の仲」になったと本書で述べられています。
私は、平凡社版が好きですが、詩の理解にと岩波文庫版を買っています。
「西遊記」を読みたいと思う人は岩波文庫版を詩の格調高さを読みたい人には平凡社版をお勧めします。
西遊記はほかに2冊読みましたが、やはり全文の訳のあるこの2冊には及ばないと思います。 -
from: yeshangさん
2018年02月13日 20時16分36秒
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「西郷の首」 伊東 潤著 (角川書店)
加賀藩前田家の島田一郎と千田文次郎は藩の西洋式兵学校壮猶館で学ぶ同僚で、一郎は学究肌、一方文次郎は武のほうに精進しています。
この二人は幕末から維新後の青春を過ごしてきました。
加賀藩は官軍側につき、戊辰戦争に二人は参加、そして明治維新を迎えます。
ここで二人の生き方は分かれていきます。一郎は維新後の士族の不満と政府のやり方に反発し、過激派に、文次郎は新設された陸軍に職を得て西南戦争、日清・日露の戦いにも参加することになります。
「西郷の首」は文次郎の西南戦争での出来事なのですが、それよりも二人の生き方と人生に出会いや出来事にこうも違ったことに展開したのかと思わされ、考えさせられる内容です。
一郎も文次郎もそれぞれに精一杯生きた満足できる結果だったと思いますが、さて、私の場合はどうだろうと、これからの残り少ない人生を考える次第です。