「花を運ぶ妹」　池澤夏樹　文春文庫

面白かった！読み応え十分でした。

諸外国を放浪していたイラストレーターの哲郎は、
好奇心からヘロインに手を出してしまう。そして、バリ島で
悪徳警察署長の罠に嵌まり、麻薬の密輸入者として逮捕されてしまう。
国外退去くらいと思っていたが、インドネシアではかなりの重罪で
極刑かもしれないと言うことに…
兄を何とか救おうとする妹カヲルが、国内外を奔走するが…

いつも言っているように「もしかして、こういう事が現実にあっても…」と
思わせてくれる展開。やっぱり、フィクションはこうでないと。
うそか、まことかのギリギリの線がいいです。

旅行は嫌いだし、海外にも全く興味のない私でも、
本当に面白く読むことが出来ました。
旅行嫌いで、よく観光パンフレットなんかを作る仕事を
15年もやってられたなって感じですけどね。(^^;;;


今年に入ってから読んだのはこれで、11冊目。
以下は、面白かった順番だけど、今回の本が、トップかな？

[684] 「東京物語」　奥田英朗
[693] 「たそがれ清兵衛」　藤沢周平
[683] 「死日記」　桂望実
[727] 「りかさん」　梨木香歩
[665] 「桜ハウス」　東堂志津子
[685] 「赤い指」　東野圭吾
[698] 「タコの丸かじり」　東海林さだお
[705] 「まほろ駅前多田便利軒」　三浦しをん
[679] 「氷の人形」　森村誠一
[686] 「中高年のこころの健康学」　本明寛

今日からは、川上弘美さんの「真鶴」です。