作者は京大出身の医者。横溝正史大賞受賞作。

アメリカで発見された夫婦の冷凍死体と行方不明の幼児。事件を追う老刑事。日本では重度障害児施設で働く医師、涼子が保護室に閉じ込められた女児を担当することに。
アメリカと日本。無関係に見える事件がやがて絡み合い、一気に加速して悲しい結末へと…。
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医者だけに専門用語や遺伝子の難しい話が出てくるし、同時進行の話がどこでどうつながるか読めない前半はイマイチです。

後半になって話の辻褄が合ってくると、まあそれなりに楽しめます。複数の話を絡ませる場合にありがちな「え〜そりゃないだろ！」的な不自然さがそれほど感じられないのは、得意分野の話だからか。

遺伝子の話は怖いです。ホンモノの医師が描く先天性の病児の話などは、切なさだけが残ります。