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from: 窓の雪さん
2009年03月27日 08時04分08秒
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宇江佐真理「甘露梅」
吉原に住みこみでお針子として働く後家、おとせが見た遊郭で働く人々の人間模様。恋、女たちの矜持と悲哀。おとせ本人にも気になる人が現われる。
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再び宇江佐作品。安心して読めます。江戸時代の風俗を描いているので見知らぬ用語が並び、文字は難しいのですが、不思議と読みやすい。この人ならではの安心感がある。
いくつものエピソードの中で次第に周囲から信頼されていく主人公が魅力的。また、本書がそのまま吉原の案内書と呼べるほど郭の雰囲気が詳しく、上品に描かれている。
そしてなんと言っても魅力的な人物が引手茶屋の旦那でかつ太鼓持ち、という凧助。頼り甲斐と面白さを兼ね備えた稀有な人物だ。
前半は坦々とエピソードを重ねるが、後半はかなりドラマチックに展開する。読後感は上質だ。
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