ある女性の一代記。7歳、17歳、27歳、。。。67歳までの人生を10年おきに、それぞれ違う登場人物の視線で描いていく。

舞台は家庭。登場するのはその家庭の子ども、主婦、その家族。何の変哲も無い普通に暮らしている人々だ。

しかし、ひとたび事が起こると、その人物たちの行動たるや、破天荒、無茶苦茶、とんでもない！、狂気の沙汰、というものになる。当人はそれをさらっとやってのけるのだが。

型にはまらない物語だ。幸せに（？）暮らしていた人がある日突然いなくなり、その行動で家族にたいへんな迷惑をかける。そしてそれぞれの人物が苦労しながら、それぞれの人生を紡いでいく。

これは現実にいくらでも起こっていることだ。統計によるとここ数年、年間10万人以上が行方不明になっているという。

できごとだけを並べると悲惨な物語ながら、当人たちはけっこうたくましく生きている。ラストはちょっとユーモラスだ。ちょっとない味わいだった。◎。