パチンコで生活費を稼いでいた貧乏学生の俺は魔術師に秘書として雇われた。株式相場という波を読み、見事に乗りこなす魔術師は、俺の仕事として駅前にある銀行の毎日の株価を記録すること、新聞に目を通すことを指示した。俺は相場という波の動きを次第に肌で感じるようになっていった。魔術師の試験をクリアした俺は魔術師の言う「秋のディール」のターゲットを知る。それは日本第三位の都市銀行だった。
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バブル期の金融商品「変額保険」の問題を根底に置いた作品。重いテーマを抱えつつ、石田作品らしく軽快な語り口で読ませてくれる。主人公の成長物語として、あるいは「スティング」的な作品として大いに楽しめる。
「銀行を相手に戦う」と言っている割には　★★★ネタばれなので伏せる★★★　という点が物足りないこと、サブキャラが使い捨てになっている感があることが不満と言えば不満。評価○。