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from: 窓の雪さん
2009年10月30日 14時48分55秒
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浅田次郎「地下鉄に乗って」
父親に対する反感から家を飛び出した真次は、タイムスリップを繰り返すうちに家族の過去を知っていく。
何故か恋人のみち子もまたタイムスリップをするようになる。その理由は。。。
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デフォルメにより、SF的な設定が背景と化した人間ドラマ。
タイムスリップ、あるいはタイムマシン物はSFの中でも一ジャンルを築く重要テーマと言える。
そこでは時間旅行の仕組みや時間を越えるだけの動機、過去改変の制限規則などたくさんの説明が必須であり、登場人物は時間旅行の制限事項の中で最善の行動は何かと悩み、活動する。
しかし、この作品ではそうしたSFらしさがすっぱりと切られ、その結果だけがデフォルメして描かれる。
そうしたSFのような背景を持った、少しもSF的ではない作品と言える。
主人公が持つ、頑迷固陋な父親に反発する気持ちはかなり普遍的なもののように感じる。自分もそうした気持ちを持っている。
それが過去に跳び、自殺した兄や戦中、戦後の父と出会うことで変わっていく。。。と思いきや、そういう話ではない。この物語は解決しない。逆に、大きな喪失がある。
しかし、主人公には悟りが訪れる。開き直りかもしれないが。
某登場人物の重大な行動をどう理解するか?
納得できるか?
悩ましかった。
僕には、やはり納得できないなあ。-
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