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from: 窓の雪さん
2010/03/26 22:56:17
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立松和平「春雷」
映画化された「遠雷」の続編。
団地や中古車センターが農地を次々と虫食いにしていく地域で、
満夫はトマトのハウス栽培を続けていた。
妊娠した妻のあや子。
満夫の母。
三人の前に女と駆け落ちした父、松造が現われる。
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これは泥臭い小説だ。
描かれているのは濃密なトマトの薫りに包まれたビニールハウスであり、
嫁と姑が同居する農家の生活だ。
ストーリーもストレートであり、筋をひねって見せる小説とは別世界だ。
周囲が開発され、
農家としての行く末が見えない閉塞感と焦燥感がある
妻は姑との関係にストレスを貯めている。
そうした中、農作業にだけは充足感がある。
そこへ駆け落ちした父親が戻る
父親は破滅への道を歩き始めており、
意識せずに家族をも巻き込もうとする。
単純なストーリーだが、
胸にズシリと響く。
読み始めは鈍重な、野暮ったい感触がある。
しかし読み進めてみると、
この本には面白さという軽いものではなく、
重い読み応えがあることが感じられてくる。
読んでいる間、
映画「遠雷」に出演した永島敏行や石田えりがそのまま脳裏で生きていた。
最後は好きな作品だと思った。-
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