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from: ハマジンさん
2010/04/16 12:29:44
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IN 桐野夏生
かつて作家・緑川未来男は愛人の存在に嫉妬した妻・千代子との愛憎の物語を「無垢人」という小説で赤裸々に書いた。
今、同じく作家の鈴木タマキは青司との不倫の愛に疲れ、自分自身の恋愛の抹殺を「淫」という小説に書こうとしていた。「無垢人」の愛人「○子」の正体を探るタマキは関係者への取材を続け、遂に千代子夫人と対面するが、小説の真実と虚構の狭間でタマキは翻弄されるのだった。
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桐野さんはここでの評判もイマイチだし、私自身も「残虐記」を挫折して以来長編はパスしてきましたが、他のサイトで「OUT」を読んだ人が続編の「IN」もあるんだってと書いていたので読んでみた。
それが予想外に面白かったんだわ。序盤はタマキと青司の不倫とかでだるかったんですが、この緑川某の「無垢人」が面白くて。
昭和初期あたりの、身勝手で浮気者で軟弱な色男と所帯やつれした嫉妬深い妻との諍いに、愛人や子供たちが巻き込まれ…というありがちなオハナシなんですが、ここから後半にかけて○子という愛人は誰なのかという謎解きっぽい盛り上がりになる。
そして何より最後に会った86歳になる千代子夫人がインパクト大!「無垢人」のイメージと全然違うんだわ。この人の登場で暗くて重いだけではない空気が全体に流れ、物語が引き締まる感じ。
千代子がタマキに「あなたも作家だからお分かりでしょう」と何度も言うように、作家が小説を書くことへの「覚悟」を問うている作品だと思います。
ちなみに内容的には「OUT」の続編ではないです。言葉遊びなのでしょうかね。「IN」のほうは「淫」「因」「陰」「隠」「姻」「IN」の章に分かれてます。-
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