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from: 窓の雪さん
2010年05月25日 17時22分27秒
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熊谷 達也「氷結の森」
戦争帰りの元マタギ、
矢一郎は極寒の地、樺太で職業と住まいを転々と変えて暮らしていた。
彼を追う義理の弟から逃れるために。
彼の行動範囲は樺太から革命進行中のロシアにまで広がる。
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とても魅力的な主人公だった。
矢一郎は義理を重んじ、ストイックに生きている。
ただ、彼を慕う女性の誘いを断る場面などはそれが過ぎるとまで感じる。
性欲は生命力に通じる、と自分は考えているので、生きる力に満ち、狩猟や射撃の能力に秀でている矢一郎が酒や女に背を向けて生きる心理が理解し難い。
彼が妻に裏切られた過去はあるが、それでは十分に説明できていないと感じる。
実際、彼のそのストイックさが彼の周囲の女性、彼を慕う女性達を悪い運命に導いていく。
話自体はとてもおもしろく、読み応えがある。
また、ロシアに渡り、歴史の波に呑まれていくあたりからまったく別の小説になったような印象がある。
先に述べたように主人公の性格、彼の言動に歯がゆい思いはするが、問題というほどのことではない。
満足できる一冊だった。-
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