翔は受験で入った中高一貫校に嫌気がさして高校を辞めてしまう。フリーター生活を送る中、年上の女性・珠緒と同棲を始め結婚すると言い出すが、母・由美子は大反対。由美子は医者の娘で学歴もあり、上流家庭というプライドから道を外れた息子を何とかしてやり直させようと必死。一方、珠緒は沖縄の離島でおおらかに育ち、持ち前の明るさと根性で翔の母に意外な方法で対抗しようとする。
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林真理子と言えば贅沢で傲慢な女の子が好き勝手し放題のストーリーで後に何も残らないものが多かったけど、これはなかなか読み応えがありました。まあバブル崩壊から20年以上。いつまでもバブリーな世界でもないだろうってことかしら。非常に現実的でした。

「価値観の違い」に尽きる物語です。人生の価値を教育や生活のクオリティの高さに求める者と、誠実さや努力といった人間そのものの価値を大切にする者。２つは決して交わりません。

しかしこの翔という男子の腑抜け具合はひどい。あきれてモノも言えないけど、現実にはこういう男子が多いんだよね〜。
イヤなら辞める。好きだから結婚する。一生フリーターでも平気。って…アンタもう勝手に路上生活してろっ！って叫びたい。

翔の母に結婚を反対されて大学の医学部を受験することにした恋人の珠緒のバイタリティは素晴らしいんですけど、それに対して翔は「努力する人、頑張る人が苦手」なんてほざく。もうこういう輩には何を言っても「暖簾に腕押し」と言いますか、こっちが疲れるだけです。

翔には姉がいてこの娘はまさに林真理子の世界に出てくるお姉ちゃん。上流の生活を得るために全てを賭けます。偏差値を下げてお嬢様大学に行き、地味な会社の内定を蹴って商社に派遣で入り、合コンに励みそれなりの男と出来ちゃった結婚をするのですが…。

面白かったです。