人間の心の奥底に棲む「鬼」を６篇の短編に描いたミステリーホラー短編集。
…家族から見放された「僕」は、ある日折れた椅子の足の内側に謎のメッセージを見つける。その椅子は刑務所で受刑者によって作られた製品であった。メッセージのＳの名前からインターネットでその犯した罪を調べた僕は、事件のあった村へと向かい意外な事実を知る…（「ケモノ」より）
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今日は梅雨明けを思わせる暑い一日になっています。
こんな日の夜は「道尾秀介版・世にも奇妙な物語」でも読んでぞっとするのもいいかも。

とは言ってもこの人、とても美しい文章を書くのであんまりオドロオドロしくないんです。暗い空に一羽のカラス、どこからか吹いてくる生ぬるい風…みたいな冷たーい恐怖が全編流れています。

「ケモノ」と「悪意の顔」あたりはなかなか良く出来ていて、あとからぞっとするパターンです。

映画のホラーは好きだけど小説では好んで読むことはないので、可もなく不可もなくといったところでした。