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from: 窓の雪さん
2010年08月17日 21時29分03秒
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浅田次郎「蒼穹の昴」
中国は清王朝末期。
科挙を主席で突破した俊英「梁文秀」。
「梁文秀」と同じ村で糞拾いをしていた最下層の少年「李春児」は自らの手で浄身し、宦官となる。
この2人を主役として、実験を握る西太后派と改革を志す皇帝派の政権争い、科挙制度の様相、諸外国の中国大陸への進出、など多面的にこの時代を描いて行く。
時には清朝の祖、乾隆帝、あるいは乾隆帝に仕えたイエズス会宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノ、さらには彼のイタリアの友人たち(アントニオ・ヴィヴァルディ等)との交流をも描く。
章が変わると全く違う物語が進む。まるで一つの小説ではなく、連作短編集のように感じる時もある。
これだけの歴史的事実を背景に持ちつつ、乾隆帝の霊まで登場するところが不思議だ。そうした点が小説としてはまとまりを欠くように思う。また、乾隆帝の霊の語る言葉には納得し難い面もある。
帝政から立憲君主制へ、という歴史的流れを描こうとしているようにも感じるが、それにしては次世代への複線として毛沢東が出てくるのは変だ。
また、物語はしばしば主人公達を離れて進む。実際、これほど主人公が活躍しない小説も珍しいのではないだろうか?
とはいえ、梁文秀の誠実さや李春児の魅力はしっかりと伝わってくる。
さて、マイナス要素も多々書いたが、実はとても面白かった。突っ込みどころが満載なんだけど面白い。最後は感動できる。
大傑作と呼ぶには欠点が多い、という感想。
でも、面白いよ。(^o^)-
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コメント: 全3件
from: 窓の雪さん
2010年08月18日 16時07分55秒
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「Re:Re:浅田次郎「蒼穹の昴」」
> 宦官中心の話のようなので、躊躇しています。
ご心配には及びません。
李春児は宦官になるけれど、彼の宦官としての仕事ぶりが描かれるページは全4巻のうち数ページです。
むしろ彼の出世や彼の人間性を描いた部分の方が印象的でした。
「中原の虹」の張作霖に匹敵する人物も登場します。作中では日清戦争は、実はその人物個人対日本の戦争だったとされており、解説を書いた陳舜臣もその点を肯定しています。
なお、この作品を読んで宦官の存在については認識を改めました。
みなさんは家族全員が餓死するか、命を賭して宦官を目指すか、その二つしか選択肢が無ければどうしますか?
また、宦官=高官ではありません。大多数の宦官は後宮に雇われた、官位を持った奴隷です。
春児が一足飛びに出世していく様は痛快でした。
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from: yeshangさん
2010年08月18日 14時09分33秒
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「Re:浅田次郎「蒼穹の昴」」
> 中国は清王朝末期。
> 科挙を主席で突破した俊英「梁文秀」。
> 「梁文秀」と同じ村で糞拾いをしていた最下層の少年「李春児」は自らの手で浄身し、宦官となる。
> 大傑作と呼ぶには欠点が多い、という感想。
> でも、面白いよ。(^o^)
題名から「蒼穹の昴」を読もう思いましたが、宦官中心の話のようなので、躊躇しています。(中国宦官嫌いのため)
私は、その続編に相当する「中原の虹」(全4巻)を読みましたが、中心人物は当時の満州馬賊・張作霖大元帥。
諸々の戦いでは手に汗握る展開が繰り広げられ、まさに映画の戦闘シーンを見ているような迫力を感じました。また、随所に出てくる簡単ですが中国語には中国滞在経験からより一層の真迫感があって、老いたりとはいえ昔の武道の鍛錬を思いだし、馬賊の中に引き込まれるような感覚を持ちました。
張作霖の生き方、考え方、集団の指導力、子弟の教育などもさることながら、無学文盲の人間がこれだけの軍閥を築いたことに大変な興味を持ちました。
また、張作霖のような日本寄りの有力者を日本軍がなぜ爆殺する必要があったのか、うまく協力して使えば満州の歴史は変わっていただろうと思います。日本軍部から見れば満州の邪魔者に見えたのでしょう。
私のような武道にいそしんだ人間には若き日の血肉を躍らせる本です。全4巻1000ページ以上でしょうが、あっという間に読み終え終えました。
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from: れおさん
2010年08月21日 10時10分27秒
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「Re:浅田次郎「蒼穹の昴」」
何度か考えてみましたが、この質問に対する答えは難しくて出てこなかった… (*_*)
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