PR会社を営む漆田は、得意先の日野楽器がスペインから招いた有名なギター製作家・ラモス氏から、サントスという日本人ギタリストを捜してほしいと頼まれる。パコというギタリストに目をつけた漆田だったがパコはラモスの娘・フローラに恋してスペインに行ってしまう。パコを追ってスペインに飛んだ漆田は、フローラが属する反フランコ過激派組織が企てる、総統暗殺テロを巡る争いに巻き込まれる。
日本とスペインを舞台にフローラの救出と伝説のギターを求めて奔走する漆田の手に汗握る冒険物語。
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話の軸は、ラモス氏の伝説のギターを持っていると思われるサントス探しと、ラモスの娘が関わっている過激派の活動をめぐる話の２つです。２つが微妙に絡み合って、漆田はスペインへ乗り込み数々の危険にあいながらも使命を果たすんです。

人間関係がけっこう複雑で盛りだくさんの内容ですが、少しもわかりにくいところがないです。
革命と芸術がうまくマッチングしていて、スペインの魅力(悲劇も)を余すところなく描いている。登場人物もみな個性＆魅力的。

デビューして数年後の作品ですがさすがです。
直木賞も受賞しています。

途中スペインの殺し屋が２人出てきていとも簡単にピストルを撃つんですよね〜。
このあたり、禿鷹に通ずる残虐さが感じられます。
面白かったです。